〜 サロン経営・スクール運営&講師活動・出張&イベントノウハウ・ブランディングからブラッシュアップ、広告やネット戦略、税・法務等周辺知識まで。今あなたに必要な「学び」と「出会い」がここに 〜
  1. セラピストニュース&コラム
  2. 谷口校長コラム
  3. Mihoさんのセラピストライフ〜個人サロンセラピスト
 

Mihoさんのセラピストライフ〜個人サロンセラピスト

2021/09/07
Mihoさんのセラピストライフ〜個人サロンセラピスト

 広島市安芸区にて、「ココロとカラダのメンテナンスサロンGrace LuLu」を運営するMihoさんのセラピストライフを紹介します。

 

 Mihoさんが運営する「ココロとカラダのメンテナンスサロン Grace LuLu(グレイス ルル)」では、ストレッチやもみほぐしの要素のあるオリジナルの手技「ボディリンパドレナージュ」をベースに、お客様の心と体のバランスを整えるための施術を、1人1人に合わせて提供しています。


 営業は完全予約制で、不定休。お客様は男女問わず受け入れていて、6割が女性で4割が男性だそうです。

 

 サロン名に込められた思いは、「素敵な人が集まる あなただけの特別な空間」。


住宅街の奥まったところにある5坪ほどの小さなサロンですが、外観にも内装にもMihoさんのこだわりがいっぱい詰まっているそうで、お客様からは「まるでおしゃれな秘密基地」と喜んでもらえるそうです。


はじめはハンドメイド作品を扱う小さな雑貨店だった

 Mihoさんがセラピストになり、サロンを始めたきっかけを聞くと、「話せば長くなるんですが……」と、これまでの歩みを教えてくれました。実は、彼女はもともと今とは別の仕事をしていて、お店も最初はサロンとして建てたのではないそうです。

 

 Mihoさんは以前、保育士として働いていましたが、結婚を機に職を離れて専業主婦になりました。


 そして、お子さんが幼稚園の頃に、ママ友と一緒にハンドメイド作品を作るようになり、「いずれは、何かしらの個人事業をしたい」と考えていたMihoさんは、自宅の近くにハンドメイド作品を扱う小さな雑貨店を開きます。それがGrace LuLuです。

 


 何もなければ、そのまま雑貨屋を続けていたかもしれません。


ですが、今から11年ほど前のことです。ある大きな出来事によって、彼女の人生は大きく変わることになりました。子育てが一段落した頃に、お子さんに難病が見つかったのです。


  それからは、彼女の生活は一変しました。県外の遠く離れた病院に通い、お子さんとともに闘病生活とリハビリの日々が始まります。


 栄養面から食事を勉強する他に、自ら解剖生理学を学び、医師や理学療法士に教わってマッサージやストレッチを必死になって身に付けたそうです。


幸いなことに、長い闘病生活を経てお子さんの病気は快方に向かいました。

 

「治療や入院生活が辛い時、みんなで手を取り合って励まし合いながら明るい笑顔で懸命に乗り越えていく子ども達の姿、そしてそれを支える周囲の人たちとの一期一会の出逢いにより私の人生観は大きく変わりました。それからは笑顔の力や感謝の気持ち、当たり前の様にある日常の小さな幸せをとても大切に出来るようになったかな…」(Mihoさん談)

 

 お子さんが元気になったことで、Mihoさんは新しい挑戦を始めます。


 vintage雑貨やオリジナルハンドメイド作品を取り扱っておられるshopオーナー様から選抜作家になるためのチャンスを得ます。


 その結果、独占作家に抜擢されてオリジナルハンドメイドブランドクリエイターとしての活動が出来るようになったのです。


 そして、百貨店のイベントで販売したり、東京の雑貨を扱うお店でも扱ってもらえるようになります。


 イベントでお客様と直接触れ合うこともでき、経営者の方々と交流できたため、販売と流通の仕組みや集客など、経済について勉強になったと、Mihoさんは話してくれました。


 

相手を笑顔にできる仕事、それがセラピスト

 また、その頃に交流をした人たちから、「あなたと話すと元気がでる、癒やされる」という感想をもらうことが多く、「人と交流することで相手を笑顔にできる仕事」に興味を抱くようになったそうです。


 そして、どんな仕事があるかを調べていくなかで、セラピストという仕事に出合います。


 今から5年ほど前、ハンドメイド作品を扱ってくれていたお店の業態変更を機に、Mihoさんはセラピストになることを決意します。


 大手サロンに勤めながら資格を取り、いくつかの店舗に勤め、いろいろなお客様に触れて、ひたすら経験値を積みました。


同僚の整体師から技術を教わることもできたそうです。


 そして、2020年の12月。彼女の小さな雑貨屋は「ココロとカラダのメンテナンスサロン」へと生まれ変わり、再スタートを切ることとなります。

 DIYで室内を設えたり、こだわりの小物を置いたりと、ハンドメイド作家としての経験を活かして、癒やしのための空間を整えたそうです。

 

「サロンは田舎の住宅街の中にあるのですが、“都会のホテルみたい”とか“おしゃれな異空間に来た感じがする”と、感動してくださるお客様もいて。小物も“同じ物が欲しい”と言われたりしますね。」(Mihoさん談)

 

 個人サロンを始めた感想を聞くと、「すごくよかった!」と満面の笑みで応えてくれました。


 完全予約制なので、お客様1人1人の話を十分に聞けて、その方に合わせた施術を組めるのだそう。


自身が思い描いた理想のセラピーを実現できている今のスタイルに、Mihoさんはやり甲斐を感じていると言います。

 

「これからも常に学び続けて、お客様の心と体をトータルにケアできる“パートナーセラピスト“でありたい。心と体に寄り添っていられる絶対的な安心感のある人になりたい」とMihoさんは話してくれました。


 そして、「私を必要としてくれるお客様に、感謝の気持ちを持ち続けることも大切にしていきたい」と笑顔で話してくれました。



校長からのメッセージ

 サロン運営する際、立地についてはとても悩ましいもので、すべてにおいて好条件であることはそうそうありません。


近年は、好立地を資金的に優位な大企業や大手が押さえてしまっていて、入り込む隙もない状況が続いていました。

 

 さて、今回ご紹介したMihoさんのサロン「Grace LuLu」は、彼女いわく「すごくへんぴな場所で、立地条件は最悪」なのだそうで、軽自動車がすれ違うのも難しいほどの細い道があるような、駅からも遠い場所。ナビが目的地まで案内してくれないことすらあるといいます。


 それでも、現在リピーター率が95%ほどもあるとのこと。(ちなみに1日2人〜3人のお客様をお迎えし、客単価は10,000円ほど。)なぜ、そのような立地でも、繰り返しお客様がいらっしゃるのでしょうか。

 

 ポイントは「秘密基地」というワード。


 思い出してみれば、子どもの頃に自分だけの「秘密基地」や「隠れ家」を持っていた人も少なくないはずです。


押し入れの中だったり、物置の中だったり……。そこには大人に干渉されない時間と空間があったはずで、自分の秘密のコレクションを集めていた人もいるでしょう。

 

 セラピーサロンが、お客様にとっての「秘密基地」のように思ってもらえたのなら、どうしても好立地でなくては、、と考える必要はありません。むしろ、意外なところにあった方が、「発見感」や「特別感」があって、魅力を感じてもらえるかもしれません。

 

 実際、Mihoさんも「お客様には“自分が見つけた場所”って思ってもらえているのかな。“あまり人に教えたくない”って言ってくれる方もいるくらい。集客的には少し残念ですが」と笑顔で話してくれています。

 

 お客様にとって、Mihoさんのサロンは「自分のお気に入りの場所」であり、そこでは「自分だけの贅沢な時間」を過ごせるのです。


 通う際の多少の苦労をいとわないほどの、大きな価値を感じているのでしょう。もちろん、Mihoさんというセラピストの実力と、笑顔溢れる魅力があってこそです。


 今回は、サロンのスタートアップのお話を現在進行形で聞くことができました。


これから彼女がどのようなセラピストライフを歩むのか、いずれまたお話を聞けることを楽しみにインタビューを終えました。


Grace LuLu