セラピストという仕事は“広い意味での対人援助職”と言えます。
クライアントは複数同時にではなく基本一人であり、悩みや痛みや必要性に応じてセラピーを提供して解決や変化や道筋を示します。
『セラピストからクライアントへセラピーして対価を受け取る。』
なんだかこう文字にしますと。
矢印が“セラピストからクライアントへの一方向”に見えがちですが。
日本中のプロフェッショナルセラピストをみて、またお話を聞いて感じることは実はそれだけではありません。
実際には。
セラピストとクライアント双方向の矢印が行ったり来たり。しているような感覚の言葉をよく耳にします。
『溶ける感覚。』『癒しているようで癒されている』『マーブルチョコレートのような』『ずーっと無言でキャッチボールしてる』『まずは相手からやってくる』など。
こうしていつも僕を戸惑わせてくれます(笑)
すぐに理解できないような表現をしますが、僕自身がわからなくても良くてそのセラピストとクライアントだけの不思議な感覚として成立しています。
気安さや便利さ、わかりやすさなどとは離れた所にある、双方向のやりとりがそこでなされている。
そこにクライアントも価値を見出している。
このことは昨日今日に限ったことではなくおそらく何十年も前からあった関係性でしょうし、
そういった“言葉にできないクライアントとの関係性”を大切にできるセラピストが長く携われるような世界って。
純粋に素敵だなと。(文責:谷口晋一)