今までは前へ、上へと歩みをしていたものを徐々にフェードアウトさせていくとき。
その人の本当の姿が見えてくるなと思っています。
ここ数年。個人セラピストの世界でも一線から少し下がった位置にいったり、すっぱりと身を引くなど、方向転換や卒業、引退の決断をされるセラピストたちと接することが増えてきました。
僕自身振り返るとなぜかその時
「まだまだ頑張れるのに(もったいない)」とか
「えー。まだやれるのに(やめないで)」と引き止めるようなことを伝えていないことになぜだろう?と。
たぶん。僕に語ってくださるとき、人生における方向転換や決断の背景にあるものがきちんと伝わるからでしょう。
始めるときは勢いや運などで始めることもできますが。
終えるときはその人自身の積み重ねの先にある決断しかありません。
積み重ねの時間も5年10年といったことだってありますから。始めるときより終わるときの方が勇気もいるでしょう。
「そうですか。やっとそのときが来たのですね。本当におつかれさまでした。今までのあなたの積み重ねに感謝してます」と。
そしてまたその人にとって見える風景が変わり新たな歩みが始まる。そこへのエールと共に。(文責:谷口晋一)