兵庫県芦屋市にて長年サロンを経営しながら、関西を中心に講座を開催し、さらに製品開発やコンサルセッションも行っている、セラピスト歴26年の「アトリエ三体夢」の志方理子さんのセラピストライフを紹介します。
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志方さんは、兵庫県芦屋市でアトリエ「三体夢(さんたいむ)」を経営し、ケイシー療法とリンパマッサージを組み合わせたボディートリートメントを提供しています。
ケイシー療法とは、ヒマシ油を染み込ませたフランネル生地を腹部に当て、内臓(とくに解毒作用を持つ肝臓)を温めて活性化させるというもの。
志方さんはこれに加えて、ヒマシ油にツバキ油を混ぜることで粘度を緩くし、オリジナルのエッセンシャルオイルを入れて、リンパドレナージュにも用いています。
つまり、デトックス効果をも期待できる手技といえます。
目に見えない世界のものを触ってほしい
志方さんはこれまで26年もの間、活動しているため親子3代に渡って利用するお客様もいるとのこと。
いわば「かかりつけセラピスト」です。
その一方で、会社経営者などから信頼を寄せられる一面もあります。新幹線や飛行機ではるばる遠方から足を運ぶ人もいるそうです。
なぜ、経営者が通うようになったのかを聞くと、
「ご自分の考えや情報を整理できるところ、と思ってもらっているのでしょうか。それは“自分に必要な情報場に意識をつなげることができる”とも言えます」と答えてくれました。
志方さんがそれを言語化できるようになったのは、3年程前のこと。
それまでは、施術の中に心掛けてきたお客様と同調しようという意識だったり、無意識にしていた会話や行為が、お客様の潜在意識に影響して、ビジネスのアイディアが浮かんだり、潮目をつかんで事業を軌道に乗せたりできたお客様が生まれてきたようです。
「志方さんから施術を受けて、考え方がガラッと変わった」という感想を持つお客様もいたそう。
「ずっと体を触ることをしていますけど、考え方やマインドといった“目に見えない世界のものを触ってほしい”という依頼が徐々に増えていきました」(志方さん談)
その人を丸ごと観よう
志方さんは、陰陽五行や東洋思想を含めた世界の宗教観についてずっと興味を持ち続け、風水や四柱推命も学んできたそうです。
そうした学びと、何年もの施術の中で得た経験とが結びついて、自身が施術を通して無意識に行ってきたことが言葉にできるようになってきたとのこと。
そして、自分の施術の本質について理解が深まっていき、やがて自分の施術が精神世界(スピリチュアル)とは切り離せないことに気がつきます。
「お客様の背景にあるものも含めた、その人を丸ごと観ようと思っています。心と体を切り離さずにやっていくこと。それがこれからのスタンダードになっていくと思っています」(志方さん談)
その人にとって本当に必要なものを見極めてセラピーにつなげていく。このスタイルは変えないでいたいと、志方さんは静かに語ってくれました。
校長からのメッセージ
全国各地から志方さんのサロンに来る、経営者のお客様は約50名ほどで、平均的な施術料金は3〜4万円とのこと。新規のお客様のほとんどは既存客からの紹介で、広告などは特にしていないそうです。
私たちは誰しもが日々たくさんの情報を取り入れています。とくに会社経営者となれば、人一倍に情報を取り入れて、それを事業に活かしていかなければなりません。
ですが、たとえ情報や知識を知っていても、それを最大に活用できているか、あるいは一見別々な情報同士に繋がりが見いだせるか、といえば、実は意外と難しいものです。
そうした“ビジネスのタネ”を見つける人は、自分の脳の中だけでなく、自分の外側にある知識であっても、必要なタイミングで必要な情報にアクセスできたのだと思います。
さらに、そこで生まれたアイディアを社会の中で実現して、事業化につなげています。
それらの話はうまく説明できるものでもなく不思議に感じるかもしれません。
今でこそ生理学や薬学の領域で科学的に説明されるアロマテラピーやケイシー療法ですが、ホリスティック(全体性)な考え方が根底にあるので、そもそもスピリチュアルと切り離せないものであるはずです。
志方さんが見出した施術の在り方とは、そうした全体性に立ち返った姿の1つであり、その有効性に情報感度の高い経営者が反応しているとすれば、、身体的な不調の改善だけに留まらない、セラピストの持つ可能性を感じられたインタビューでした。