兵庫県芦屋市にて長年サロンを経営しながら、関西を中心に講座を開催し、さらに製品開発とコンサルセッションも行っている、セラピスト歴26年の「アトリエ三体夢」の志方理子さんのセラピストライフを紹介します。
【サロン経営】編はこちら
【製品開発】編はこちら
【コンサルセッション】編はこちら
志方さんは、関西地方を中心に10年にわたってセミナーやワークショップを開催しています。そのテーマは、
鑑定も学べる風水セミナー、食生活に酵素を取り入れるセミナー、オリジナルブレンド精油に関するセミナー、目に見えないものを触るためのセミナー、自家ハーブ園での収穫と酵素作成ができるワークショップなど多岐に渡っています。
こうしたセミナーは、一般の方からセラピストまで、対象者に応じた情報と場を提供しています。
大切だと感じることを多くの人に伝え体験できる場として
志方さんが人前で話すようになったのは、2011年の東日本大震災がきっかけでした。
放射能汚染への恐れから、食事に対する不安が人々の間で広まってしまったことに問題を感じ、塩や発酵食品などを使った体を守る食生活についての情報を、多くの人とシェアしたいと思ったとのこと。
今では一般向けに行っている酵素に関するセミナーなど、ワンシーズンでのべ300人近くの方に参加してもらえるそうです。
セミナーを開催し始めた志方さんは、自身が本当に大切だと感じていることを多くの人に伝え、体験してもらえる場の重要性に気づいたそうです。
そして、自分が情熱と興味を持って学んできた、精油やセラピー、風水などについてもセミナーを開き、情報をシェアするようになったとのこと。
そしてそこには、その情報を求める多くの人たちが集まるようになります。
「最初は、純粋に面白そうだなという好奇心で学び始めた知識でした。でも、それを必要とする誰かに伝えたいという気持ちが湧くと、脳内エンドルフィンがでるのでしょうか。セミナーを開くのは大変ですけど、苦なくできるんですね」(志方さん談)
体と心を大切にすること。そして食の場を
志方さんのセミナーで共通しているのは、まず体と心を大切にすること。さらに、食事をする機会を設けること。
これについては、食事法の実践であり、また「何か食べながらの方が気分が緩むし、楽しいイメージが残ると思う」と笑顔で理由を説明してくれました。
これまで10年にわたってセミナーをする中で感じたことについては、「目に見えない世界のことに関心をもってくれる人が増えた」のだそう。
しかも「ニュアンスとか雰囲気じゃなくて、ロジカルに知りたい」という人が増えていると言います。
スピリチュアルというと、“理論的でない”と考える人もいます。
しかし、単に今の科学で説明しきれていないだけであって、通底する理(ことわり)はあるのかもしれない、という見方もできます。
体の不調や、言いしれぬ不安には、何か意味があるのではないかと、自分の内側に意識を向ける人が増えているのでしょう。
また、物質的な価値から、目に見えないものへ、価値観の変化がセミナーに集まる人たちにも現れているのかもしれません。
校長からのメッセージ
志方さんのセミナーは多岐にわたるので、その参加費用も様々です。ただ、食事やハーブ、オリジナル精油などの費用も含まれるので、準備費等の実費も考慮に入れると「ボランティアに近いこともある」と打ち明けてくれました。
それでも続けて10年できているのは、ひとえに彼女の想いの強さから。
志方さんが大切にしているものを伝え、その価値が分かる人が集まる。そうやって多くの人と価値観を共有することが、志方さんのセラピストライフの重要な一部になっているだと思います。
これからセミナーを開催したいセラピストへのアドバイスを聞いたところ、
「たとえば、“紙コップでハーブティを出すようなことをしない”ということでしょうか」と志方さんは答えてくれました。
それはつまり言行一致の大切さ。セミナーで講師が言っていることと、実際に行っていることにギャップがあるのでは、聞き手に与える信用性が下がるということです。
私たちの行動の中には、当たり前や習慣になっていることで、よく考えることなく受け入れてしまっている物事があります。
大勢が集まった場所で飲み物を出すなら紙コップを使う、ということが当たり前になっていると、少しも考えることなく紙コップを用意してしまいがち。もちろん、紙コップ自体に問題の本質があるわけではありません。
つまり、その場に相応しい物や事を設えられるかどうか。細部に渡る意識、そうした気遣いの細やかさにこそ問題の本質があり、人に何かを伝える上においても大切なことと、彼女の言葉を聞いてそう感じました。
アトリエ三体夢
https://atorie-3time.com/