東京にて16年にわたってサロン経営をする一方で、12年にわたりスクール運営をしている「エフェクティブタッチ」の小澤智子さんのセラピストライフを紹介します。
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小澤さんは、東京の自由が丘にて、サロン「エフェクティブタッチ」を経営する、オーナーセラピストとして活動しています。
エフェクティブタッチという手技は、オイルを使ったエフルラージュ(軽擦)で、サロンではボディとフェイシャルのメニューが提供されています。この手技について、小澤さんは「解剖学に基づいた たった一回でも結果の出るオイルトリートメントの真髄」と表現しています。
人と人との双方向のやりとりができる仕事を
今から16年前。小澤さんは自宅サロンからオープンさせ、12年前に自由が丘にサロンを開きます。
長らくそのサロンで、ビジネスパートナーでセラピストでもある波多野由利さんや数人のスタッフと共に活動してきました。
そして最近、同じ自由が丘駅の徒歩圏内で移転し、現在のサロンとなっています。
もともと小澤さんは、大手製薬会社でコンサルティングやマーケティングを行う部署に勤めていました。
そこで忙しく働くなかで、彼女がずっと頭に思い浮かべていたことがあったそうです。それが、
「自分のキャリア・アンカーってなんだろう」というもの。
キャリア・アンカーとは、仕事のキャリア形成において最も大切にしている価値観のことで、言い方を換えれば「どんなことに“やり甲斐”を感じられるのか」です。
小澤さんが考え続けて、30代後半の頃に見出したキャリア・アンカーとは、「人と人との双方向のやりとり」でした。そして、そのキャリア・アンカーを生涯ずっと持ち続けられる仕事として、セラピストの世界に入ります。
彼女がセラピストとして活動を始めて実感したのが、「セラピーって、思っていた以上に素晴らしい仕事なんだ」ということだったそうです。
サロンオーナーとしても、それまでの知見も活かし、徐々にサロンを軌道に乗せていきます。
「私は人のために何かをするのが好き。それで人が喜んでくれるのなら、もっと嬉しいし、もっとがんばろう、もっとやりたいってなるんです。そういう気質なんだと思う」(小澤さん談)
理想とするセラピーの姿、それが主客一体
現在、彼女が施術するお客様は全員がリピーターとのこと。中には15年の付き合いになる方もいるそうです。
そこで、小澤さんにセラピストとお客様の関係について聞くと、「主客一体」という言葉で説明してくれました。
セラピーとは「セラピストだけでなく、お客様と一緒になって作り上げていくもの」であり、
「長くお付き合いしていくうちに、お客様一人ひとりに合わせたパーソナルケアとなっていく」ということ。
さらに、「セラピストがお客様のことを大切に思うのと同じくらいに、お客様もセラピストを大切に思ってくれるそのような関係性になる」ことも、彼女が理想としているセラピーの姿なのだと、語ってくれました。
彼女がセラピストという仕事への思いを一層強くした出来事があります。それが2011年の東日本大震災でした。
「サロンをいったん閉じることもやむをえないほどの状況でした。でも、閉じようとはまったく思えなかった」と彼女は当時を振り返ります。
余震が続く大変な状況でも、サロンに来てくれるお客様がいて、中には一人で家に居たくない方や、不安のあまりに号泣する方もいたそうです。
こうした思いは、現在の世界的パンデミックの状況下でも強く感じているそうです。
今は、日本中のサロンが運営的に難しい局面におかれていますが、小澤さんは、人と人とが直接対面し、触れ合うことの大切さを痛感するとともに、長年通ってくれるお客様が帰ってこられる場所であり続けるための模索と実践を続けています。
今後のビジョンを聞いたところ、
「お客さまが朗らかに健やかに人生を送るために、パーソナルケアのできるセラピストとして長く併走していきたい」と話してくれました。そして、
「そのためにも、私は生涯現役でいたい。だから、自分の健康管理がすごく大事だって思う今日この頃です」と素敵な笑顔とともに答えてくれました。
校長からのメッセージ
東京の自由が丘といえば、「コンビニよりも多い」といわれるほどの、エステサロンやリラクゼーションサロンの最激戦区の1つです。
ここで10年以上、サロンを経営してこられたことには、小澤さんを始めとして、サロン「エフェクティブタッチ」に在籍するセラピストに高い技術があることはもちろんのこと、お客様と特別な関係性を築いてきたことが大きいのだろうと思われます。
実際、日々小澤さんが施術する枠はすべて、20名のリピーターの方で埋まっているのだそうです。
そして、コロナ禍でサロンの移転を余儀なくされたときでも、全員が引き続き新しいサロンに来ていただけていると言います。
「サロンを移転するとき関係が途切れてしまうかもと、少し不安だったんです。でも、誰も途切れずにつながっていてくれた。その時に、私が大切に思ってきたお客様が、同じように私を大切に思ってくれている。そんな関係性を構築できていたんだって、すごく実感して。その時はちょっと感動しちゃいましたね」(小澤さん談)
いかにリピーターを増やすかは、サロンの安定経営を考えるために、とても重要な要素です。
リピーターになる要因としては、料金の安さや、通いやすさなどがすぐに頭に浮かびそうですが、それは入り口にはなっても、大きな要因ではないだろうと思います。
なぜなら、お客様はわざわざお金を払ってまで、気の合わない人の施術を受け続けにはこないからです。
「自分のためを思って真剣に向き合ってくれている」とお客様にきちんと伝わっているか? そうした接客と施術を誠実に続けて、そのことが相手に伝わり続けること。それこそが実はリピーターを増やす堅実な方法なのであり、セラピストとしての真の歩みとなっていくのだと思います。
自由が丘サロン エフェクティブタッチ