地蔵のように浸かるワタシ

銭湯でのんびり浸かってましたら。

初老のお二人がおしゃべりしてます。

というより。

片方の人がずっとしゃべり。

もう片方の人がふんふん、と聞いてる状態。

漏れ聞こえてくる内容は。

ある会合で「こんなこと言われたから言い返してやった」とか。

「孫の行ってる地元の高校は（別の）あの人の所の孫の高校とは違う」とか。

「あの人は喫茶店のママに夢中になってるが無理だ」とか。

目を瞑り地蔵のように浸かるワタシ。

ずっとそんな感じで話が続きます。

で、最後の最後。

ずっと話を穏やかに「ふんふん」と聞いていたもう片方の男性が。ぺしっと肩を叩いて一言。

「まぁ、あんたなぁ。あの人がどうだとか、この人がああ言ったとか、どうでもいいことだ。

あんたはあんたのいいところがいっぱいあるだろ。それを活かしてこれから生きるがええわ、な？」

目を瞑り大きくうなずく地蔵。

えーっとそれから。