セラピストの世界において。
トントンとノックし続けないと開かない扉が存在しています。
扉の向こうからでないと決して開かず、鍵もカードもない。
ただ、ひたすらノックをし続ける。
向こう側にあるドアノブを誰かが回してくれないと開かない扉。
主には支援(マンツーマンサポート)する相手を見ていて感じることです。
もちろん世の中には瞬間に開く扉もあれば、強引にでも開けられる扉もあります。
ですけど、それを“続けることでしか開かない扉”が存在している。
この扉を見つけてしまうと、最初はどうにかして開けてやろうともがくのですが、そのうち諦めてトントンとノックし始める。
すごく地味で先の予定も立たない。
扉を開けてくれる人がいるかどうかさえも分からない中で。
そう、続けることでしか開かない扉ですから。
だからこそ、ドアの向こうから開けてもらったという事実はすごく重くて、そのセラピストの中には消えない経験則として残ります。
時々「どうなるか分からないけど、まずはそれをやり続けるしかない。」となかば突き放した様な言い方をするのですけど。
その扉を見つけちゃった様子のときに思わず出る言葉なんです。(文責:谷口晋一)