東海地方にて15年にわたり、個人サロン、リフレクソロジーのスクールを行う他、一般の方を対象にした講師、アロマグッズ制作へのアドバイザーもしている松田旬古さんのセラピストライフをご紹介します。
【個人スクール】編はこちらから
【講師】編はこちらから
【アドバイザー】編はこちらから
松田さんは、名古屋で15年にわたり、個人サロンを経営しています。
現在はマンションの1室をサロンにして、リフレクソロジーを中心に、もみほぐしやオイルトリートメントなどのメニューを提供しています。
足を温めるフットバスの時間。そこでも彼女はお客様から離れることはありません。
肩回りなどのケアをする中でお客様の多くはこれまでにあったことなどをゆっくりと話しはじめるそうです。
これまでに数回、サロンの場所が変わっていますが、それでも10年以上通うリピーターに支えられているとのこと。
ちなみに、ご予約のほとんどがSNS等のダイレクトメッセージなどからだそうで、ここからも、松田さんが多くのお客様と個人的につながっていることがわかります。
自分の空間を作って仕事がしたかった
松田さんが「リフレクソロジー」という名前を初めて聞いたのは、岐阜県飛騨地方にいた20年くらい前のこと。
実は、それまで全くリフレクソロジーのことを知らず、セラピーを仕事にしようとは思っていたわけでもありませんでした。
「なにか手に職を付けて、自分の空間を作って仕事をしたかった」と話す松田さんは、資格の情報を集める中で、リフレクソロジーやサロン、セラピストという働き方があることを知りました。
ただ、当時は近くにリフレクソロジーを学べる場所がなかったため、通信教育で学ぶことにしたそうです。
そして、通信教育修了後に名古屋に出て既存のサロンに就職。そこで経験を積んで、3年後に個人サロンを開業します。
今でも通い続けてくださるお客様たち
実際にサロンを始めてみてどうだったかを聞くと、
「いつまでたってもお客様が来なかった」と笑いながら話す松田さん。
集客は苦手とご自分のことを振り返りながらも、ホームページ作り、近隣へのポスティング、ビラ配り、フリーペーパーの広告など、できることは何でもやったそうです。
実はその時期にいらっしゃったお客様が今でも通ってくださっているとのこと。
これから個人サロンを始めようとする人に対してのアドバイスを求めたところ、「家族の賛同を得ること、なにより周囲の理解が大切だと思います」と答えてくれました。
実際に、仲間の個人セラピストたちも、家族や周囲から応援してもらっている方は、うまく続けられている印象を持っているそうです。
「もうダメだと思う時もあったけれども、そんな時に限ってお客様からすごく嬉しいことを言っていただいたり、周囲から応援してもらったり……。振り返れば、それが続けて来られた理由の1つだと思います」(松田さん談)
校長からのメッセージ
「集客や経営はまるで苦手で」と何度も口にする松田さんでしたが、15年も個人サロンを続けて来られたことには理由がちゃんとあります。
それは、自分とサロンの存在を知ってもらうための行動を開業当初からし続けていたことです。
今ほどインターネットが発達していなかった頃ですから、チラシやフリーペーパー等を利用し、機会があればイベントなどにも参加をする等々。
今ではフリーペーパーの利用はせずに、SNS(主にブログやInstagram)に広告活動をシフトしています。
ちなみに最近来たお客様に、「Instagramでサロンを探していた中で、唯一松田さんだけが顔出しをしていて、それでなんだか安心できた」と言われたそうです。
SNSやHPは、現実の世界よりも様々な演出が可能な世界です。
きらびやかに彩ることもできますし、ボタニカルな雰囲気に飾ることもできます。
いわゆる「盛る」ことが容易であるがゆえに、かえって現実味が薄れてしまう恐れがあります。
清潔感を求めるあまりに、まるで生活感のない部屋のようになっているHPを見たことはないでしょうか?
セラピーを求めている人は、高級マッサージチェアを求めているのではなく、人間のセラピストに会いに行きたいはず。
それなのに、HPやSNSに人間っぽさがないというのでは逆効果になりかねません。
ただ単純にサロンのことを知らせるのだけでなく、セラピスト自身のこともしっかりと出していくことが安心感になり、「この人にならお任せできる」とお客様から選んでもらえるはずです。
いくらでも「盛れる」時代だからこそ、飾らないことで得られる信頼感も大切になるのだろうと思います。
「これからも一人一人と向き合っていきたい、ご予約いただいた時間は、純粋にその人のためだけの時間にしたい」と松田さんは言います。
苦手なものを素直に苦手と言える。そんな彼女自身の飾らない姿に惹かれて、お客さんはリピーターになるのかもしれません。
@junmizukagami