福岡県北九州市にて、カフェ併設の個人サロンを運営する一方で、一般の方向けの健康講座の講師と、美容サロン等へのサポートをするシェルパ活動をしている三宮悠史さんのセラピストライフを紹介します。
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三宮さんは、地域コミュニティーや介護施設、サロン併設のカフェなどで、健康に関する「健康教室」を4年にわたって行っています。
講座内容としては、栄養とお薬の知識を分かりやすく伝えています。基本的に月に2、3回のペースで、多い時は20名ほどの参加者がいるそうです。
お薬だけでなく栄養のことも丁寧に伝えていく
三宮さんは大手製造小売業を退社後、ボディケアを習得する中で「薬についても知っておかないと、お客さんの質問にきちんと答えられない」ことに気がつきます。
そこで彼は勉強のために薬の配置販売会社に入社。その後、勉強期間わずか1週間で薬の登録販売者の試験に合格します。
一般の方にお薬を届ける仕事の中で、お薬だけでなく栄養のことも含めて、より丁寧に伝えることの重要性を感じるようになったそうです。
それから3年後、三宮さんはカフェを営む自宅で個人サロンを立ち上げ、セラピストとして歩み始めます。
そして、偶然に声がかかったコミュニティー(公民館)の婦人部向けに、栄養とお薬について分かりやすく伝える講座を開いたところ手応えを得ます。
これをきっかけに講座が増えていったそうです。
「自分にとっては当たり前のことであったり、当然みんなが知っていると思っていたことが、実際は知られていなかったんだと驚きました」(三宮さん談)
これからも適切な知識をわかりやすく
講師活動をしたいと考えているセラピストに向けてアドバイスを求めると、「何が伝えたいのかを明確にすること」と「協力者とよい関係を築くこと」をあげてくれました。
協力者というのは、講座に招いてくれる自治会の方や施設の責任者など。やはり講座はセラピスト1人では成り立たないのです。
健康教室の基本的な流れは、まず参加者が興味を持っていそうな話題を彼が話し、その後、質疑応答をするということですが、質問が途切れないのだそうです。そうした状況に接する度に「健康に関する適切な情報が、求める人に届いてない」という現実を再認識しています。
「これからも適切な知識をわかりやすく伝え続けていきたいです。そして自身のテーマでもある根本改善につなげる活動を続けていきたいですね。」(三宮さん談)
今後も、声がかかれば可能な限り足を運びたいそうです。
校長からのメッセージ
一般の方を対象とした講座は、比較的始めやすいものの、収益面から継続がとても難しいといわれています。
すると、収益率を上げるために講習料を上げることを考えがちですが、それで参加者が減ってしまうのでは意味がありません。
高い講習料を設定するならば、内容も専門的なものを求められるはずですから、対象者が狭くなります。
実際に、三宮さんの講座は一般の方を対象にしているため、参加費は毎回500円から1,000円程度と、まさに“手弁当”な活動です。
それでも三宮さんが講師活動を続けるポイントの1つは、適切な健康情報を1人でも多くの方に伝えたいという熱い思いを持ち続けていることです。
さらに、講座は「集客イベント」となって参加者がサロンにお客様になることも多々あり、またどんな話題が注目されているのかを知るための「市場調査」の一環にもなっているのです。
ゆくゆくは、サプリメントや健康食品などの流通、販売も取り入れて、適切な物や情報がそれを必要とする人へ適切に届くようにしていきたいといいます。
すべては「根本改善」を目指す三宮さんのセラピストライフの一部。自分のセラピストライフ全体を俯瞰で見て、長いスパンで考えることの大切が分かるインタビューでした。