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松崎容子さんのセラピストライフ〜自宅リトリートサロンセラピスト

2022/02/22
松崎容子さんのセラピストライフ〜自宅リトリートサロンセラピスト

 長野県駒ヶ根市にて、2020年から自宅リトリートサロン「Mother’s Organic(マザーズオーガニック)」を営んでいる松崎容子さんのセラピストライフを紹介します。

 

 南アルプスと中央アルプスに囲まれた自然豊かな駒ヶ根市に、ヴィンテージログハウス風の松崎さんのサロンがあります。

 

 そこは、お客様が本当の自分と出会う時間を提供するリトリートサロンです。

 

 提供されるメニューは、ジャパニーズオイルセラピーAtsu®︎のボディトリートメントとホットストーンをベースにした、フルオーダーメイドのセラピー。

 

 松崎さんは、丁寧なカウンセリングを通して、お客様1人ひとりに寄り添った施術をすることを心掛けているそうです。


 

 お客様には30〜50代の女性が多く、仕事や育児をがんばっている世代から、子育てを終えて自分の時間を持てるようになった世代までの様々な方が、まるで隠れ家に来るように松崎さんのサロンに訪れます。

 

 お客様のご要望は、リラクゼーションだけでなく、体質改善や免疫力向上といったことも多いそうで、今のコロナ禍のご時世を反映しているのかもしれないと、松崎さんは語ってくれました。

 

「子育てをしている人、家事をがんばっている女性は、大胸筋をギュッと締めている傾向にあるので、まずは頭とデコルテへの施術から入ることが多いです。すると、深くリラックスできるとともに、呼吸も深くなっていくんですね。施術中はほとんどお話をせずに、お客様の呼吸に合わせて施術していきます。ベッドの中に吸い込まれるように眠りに入っていくお客様も多いんですよ。そんな時は“ご自分と向き合う時間に入られたんだな”と思います。施術後にお客様から“瞑想から覚めたようにスッキリした”と言っていただけることもあって、それがすごく嬉しくて!」(松崎さん談)


ホームスティ先では自然療法が生活の中に溶け込んでいた

 松崎さんに自宅サロンを開くまでの経緯について聞くと、「実は構想5年以上なんですよ」と笑顔で振り返ってくれました。

 

 実は、セラピストになる以前は音楽科の教員をしていた松崎さん。

 

 セラピーとの出会いは、彼女が音大時代に行ったヨーロッパへ演奏旅行の際のことでした。

 

 ホームスティした一般家庭で、ハーブや精油を用いた自然療法が生活の中に溶け込んでいることに驚いたそうです。

 

「頭痛がするときや、時差ボケでモヤモヤしている時に、ホームステイした家庭のホストマザーが庭からハーブを摘んできて煎じてくれたんです。それに、あちらでは薬局に精油を売っているんですよ! 体調が悪いときには薬箱が出てくるんじゃなくて、自然療法を食べ物や飲み物に取り込んでいる。それが常識であることに衝撃を受けました」(松崎さん談)

 

 自然療法への興味は、大学を卒業し、教員になっても、消えるどころか次第に強くなっていったそうです。

 

 アロマテラピーを学んだ松崎さんは、香りによる心や脳へのアプローチだけではなく、体にもアプローチする方法についても、もっと深く学びたいと考えるようになったそうです。

 

 さらに松崎さんは、自分が生まれ育った駒ヶ根にサロンを開業することをイメージし始め、それを実現させるまでの構想を膨らませていったそうです。

 

 折しも結婚と出産をして、新居も建てようという時期と重なり、松崎さんの構想は徐々に形になっていきます。


 

 ログハウス風の新居にはグランドピアノを置く部屋を設計したそうですが、その部屋には施術用のベッドを入れて、サロンとして使うことを密かに考えていたとのこと。

 

 旦那さんには、教員を辞めてセラピストになることを相談しながら、どうすれば家族の生活と両立できるかを話し合ったそうです。

 

 自分の構想を丁寧に説明し、家族からの協力を得るために時間をかけたと言います。

 

 松崎さんは「何事も考えに考えてから実行に移すタイプ」なのだそうで、そうした性格を理解している旦那さんは、構想を打ち明けられた時点で「相当な覚悟や意識で取り組んでいくんだろう」と受け止めてくれたそうです。

 

 今では、お子さんと一緒に「今日のサロンはどうだった?」と営業を終えた後にいつも笑顔で声を掛けてくれるとのことで、ご家族から理解をしっかりと得られているとともに、松崎さんにとって大きな支えとなっていることがうかがわれます。

いつもの場所で周りの方を幸せにできるように

 こうして構想5年以上のサロンはスタートし、お客様にとっての憩いの場になったのです。

 

「1日が終わった時に、“こうすればよかった、次はこうしよう”といつも考えます。それに、こうありたい、こうしたい、ということが常に溢れていて……。そんな日々でサロン開業1年目はあっという間に過ぎて、1周年の記念日もすっかり忘れていました(笑)」(松崎さん談)

 

 松崎さんのサロンは2020年5月にオープン。そんな中でしっかりと環境を整えて、サロンのコンセプトもお客様へのメッセージもしっかりと発信しています。

 

 自然豊かな地域で行われるリトリートは、これからもきっと求め続けられていくでしょう。

 

「職場でも家庭でも、与えられた役割をこなすために、自分の気持ちを抑えてがんばっている女性がたくさんいます。だから、本当の自分に帰れる場所が必要なんだと思います。森や山が豊かな駒ヶ根という土地で、深い呼吸を整えてもらうことで、本当の自分に帰れる時間を過ごしていただけるはず。本当の自分を見つけて笑顔になった女性が、いつもの場所で周りの方を幸せにする。そんなスパイラルが生まれるといいなって、いつも考えています」(松崎さん談)

 

 本当の自分の姿で活き活きと活動し、笑顔で家族や周りの人を幸せを届けること。


 それを体現しているのは松崎さん自身であり、彼女の元気と幸せが家族もお客様も幸せな気分にさせている。

 

 そんな好循環が生まれていることをうかがえたインタビューでした。


校長からのメッセージ

 松崎さんのサロン「Mother’s Organic」にお迎えするお客様は、1日1〜2人。単価は120分(+前後のカウンセリング)で16,000円〜といった料金設定です。

 

 地方でありながら1年目から新規来店が安定してあるというのは、オープン当初からコンセプトを明確にしており、かつ地元の人にもサロンの存在が知られているからなのでしょう。

 

 ちなみに松崎さんは、SNS(ブログやInstagram、Facebookなど)を活用して、セラピーやお客様への思いを発信しており、サロンの魅力が伝わるように写真にも工夫を凝らしているようです。

 

 また、オーガニックなものを取り入れていたり、身体を大切にしているなど、サロンとコンセプトの近いお店にパンフレットを置かせてもらっている他、地元のフリーペーパーに広告を出しているそうです。

 

 このように地元に特化した広報活動も、新規のお客様がコンスタントに来店してもらえるために効果を発揮しているのでしょう。

 

 さて、今回のインタビューでは、構想5年以上というサロン作りがとても印象的でした。


 ここには、箱としてのサロン作りだけでなくて、家族の理解を得ること、セラピストとしてのスタイル、サロンのコンセプト作りに至るまで、すべてが含まれていました。



 とくに興味深かったのは、「スクール選び」についての話題。


 松崎さんはセラピストという生き方を考え始めたときに、「誰にセラピーを学ぶのか」をインターネットで入念にリサーチしたという話をしてくれました。

 

 スクールを選ぶポイントとして松崎さんがあげていたのは、「卒業生がプロとして活動し、社会貢献できているか」ということ。


 予約の取れないサロンを経営しているかどうかは、ある意味で二の次。

 

 それよりも、プロのセラピストとして生徒を社会に送り出そうという気概が見えるか、卒業したセラピストがお客様や社会に対してどのようにアプローチして喜ばれているか、という観点でスクールを考えていたそうです。

 

 スクールや指導者だけを見るのではなくて、卒業生までもリサーチする。


 このスクールの選び方は、実際に活動しているセラピストならば、なるほどと頷くはずです。

 

 松崎さんはそうしたスクール選びをしたのは、彼女自身の性格もさることながら、音楽というバックボーンによるものなのかもしれません。

 

 音楽の世界では、どんな指導者に就くかによって到達できるレベルがまったく違ってくると聞いたことがあります。


 生徒本人の才能や努力はもちろん必要ですが、生徒を世界レベルに引き上げてくれる師に就くことが同じように重要なのだと。

 

 ならば、多くの生徒をプロとして輩出している指導者が、良い指導者ということ。


 そしてそれは、セラピストの世界にも置き換えられるわけです。


 生徒をプロとして育て、後押ししていること。さらに卒業後も関係性を繋ぎ続けられていること。

 

 それらは、卒業生の活躍や発信内容を見れば、ある程度は見えてくるものなのかもしれません。

 

 現在は、インターネットに情報が溢れています。

 スクールが立派なHPを作ることは難しくありませんが、その立派さは正しく実情を表しているのか。あるいは誇大表現なのか。それを判断する材料もネットには溢れているのだろうと思います。

 

 このように松崎さんのスクールの選び方は、これからセラピストになる人にとって参考になるはずです。

 

 それと同時に、セラピスト育成に携わる者は常にその様な目線で見られていることを心に留めなければならないということなのかもしれません。

 

 生徒になるべく見つめる目線、そしてそれに応える育成の場があり、プロフェッショナルなセラピストが育っていく。


 そんな構図が生まれ循環することも、セラピスト業界を向上させるために必要なプロセスなのだと思いました。

 

ホームページ

https://mothers-organic.amebaownd.com/

https://instabio.cc/212072MkvIw