北海道札幌市にて、23年にわたってイメージコンサルタントとして活動している「Sweet・Color」郷司千容子さんのセラピストライフを紹介します。
郷司さんはイメージコンサルタントとして、パーソナルカラー診断やパーソナルスタイル診断、メイクレッスンなどのメニューを提供しています。
お客様1人ひとりの体型や肌の色、髪などの個性に加え、TPOに合わせたトータルコーディネートをしていて、お客様のお買い物に同行することもあるそうです。
また、郷司さんにはセッションセラピストとしての一面もあります。
カウンセリングをベースに、コーチングとヒーリングの要素を加えた手法で、何気ない会話や相談事の中からお客様の潜在意識に隠されたメッセージを受け取り、お客様が自ら気付き、答えを見出すためのお手伝いをしているとのことです。
お客様からは「モヤモヤが晴れてスッキリした」とか「体と心が軽くなった」と喜ばれるそうです。
体の外側を観るイメージコンサルタントと、心の内側を視るセッションセラピスト。
2つは一見、まったく別々の手法に思えますが、郷司さんいわく「入り口が違うだけで、行き着くところは1つ」なのだそうです。
「似合う色や服を知りたくて、お客様からご相談をいただくのですが、その後ろにはもっと本質的な願いが隠されていることがあります。例えば、コンプレックスを克服したいとか、もっと自信を持って生きたいとか、自分らしくありたいとか。その願いが服装という表現で現れることもあれば、明確に言葉にできないモヤモヤとして感じられることがあるのではないでしょうか」(郷司さん談)
イメージコンサルタントとしても、セッションセラピストとしても、郷司さんはお客様に答えを提示せず、お客様の気づきを引き出すようにリードするように心掛けています。
一足飛びに答えを提示されてしまうと、お客様の中には拒否反応を示す方がいると言います。
普段、着慣れない服を着せられれば、セルフイメージとかけ離れてしまいますし、いきなり核心を突かれれば、素直に聞き入れられなくなるもの。それは誰もが経験するのではないでしょうか。
お客様の服装の相談を受けることと、心の相談を受けることが、郷司さんにとっては同じスタンスであることがよく分かります。
「自分に似合う物を知ることは、実は本来の自分と対面することでもあるんです」と郷司さんは話してくれました。
服装や色を通して本来の自分を知ることが、生き方を変えるきっかけになるとのことですが、同時に周囲からの目線も変わるそうです。
声を掛けやすい雰囲気になったり、性格が明るく見えたりして、同性とも異性とも関係が良くなったお客様もたくさんいるとのことでした。
本当の自分を知ることで楽に生きられるようになるとともに、周囲から認められることで承認欲求も満たされ、その相乗効果で人生が上向いていくのではないでしょうか。
これまで23年間にもわたって、たくさんのお客様に「色の魔法」を掛けてきた郷司さん。
彼女がどのような経緯で今の活動をするに至ったのかを聞きました。
誰もが自分らしく変われるという事
郷司さんがイメージコンサルタントという仕事を知ったきっかけ。
なんとそれは、お向かいの女性に「顔色が悪いね」と会う度に心配されたことだったそうです。
当時の郷司さんは専業主婦をしていて、2人目のお子さんを出産した頃。
彼女自身は家事が好きなこともあって日々は充実していて、体調にも特に不安を抱えているわけではありませんでした。
それなのにどうして「顔色が悪い」と心配されるのか。
それを気にしだした時に、テレビでイメージコンサルタントの仕事が紹介されていて、郷司さんは「もしかすると着ている物やメイクに問題があるのでは?」と思ったといいます。
そこで郷司さんはイメージコンサルタントを探しましたが、当時の札幌周辺でそうした活動をしている方は見つからなかりませんでした。
そのため、東京から講座などでイメージコンサルタントが来札することを耳する度に、講座に参加するようになりました。
そして、4人目のイメージコンサルタントに出会った時、郷司さんは心から納得できるアドバイスを受け、その方のもとで学びたいと強く思ったそうです。
「診断をしていただいた帰りにデパートでスカーフを2枚買って、そこから少しずつ先生に教わったことを実行していったら、周りの人から褒められるようになったんです。褒められるようになると自分のコンプレックスが溶けていって、自分らしく楽に生きられるってことを私自身も体験しました」(郷司さん談)
こうした体験を通して、郷司さんは自らも「誰もが自分らしく変われる」という感動を誰かに伝える人になりたいと思うようになります。
ただ、当時は5歳と1歳に満たないお子さんを育てている頃で、すぐには東京へ学びに行くことはできませんでした。
郷司さんは子どもたちがある程度手が掛からなくなるまでの間、学びたい気持ちを持ち続け、7年越しで東京へ。イメージコンサルタントを本格的に学び始めます。
そして、今から23年前、自宅の一室をサロンとして改装し、「Sweet・Color」をスタートさせるに至ったのです。
郷司さんにこれまでの23年間を振り返っていただくと、「本当にいろいろあって、壁に何度もぶつかりました」と言います。
聞けば、郷司さんのお母様が長らく闘病されていて、郷司さんは看護と家事と子育て、セラピストとしての活動を同時にこなす時期が長かったそうです。
お母様が旅立たれた後に、お父様まで旅立たれたとのことで、体力的にも、精神的にも大変な時期だったことが察せられます。
そんな時期を、ご家族やご友人に支えられながら乗り越えてきたそうですが、イメージコンサルタントとして誰かの幸せに触れられたことも、郷司さんの心の支えになっていたようです。
「今、振り返ると、よくやれたな、と思いますね。家族の支えと、友人たちからの応援があったことが大きかったですし、イメージコンサルタントとして自分が受けた感動を皆さんに伝えたいっていう思いも、強くあったんだと思います。“私でも変われたんだから、あなたも変われるのよ”とこれからも伝えていきたいですね」(郷司さん談)
今回のインタビューを通して、郷司さんがお客様1人ひとりの幸せに寄り添うことが、理屈抜きに好きなご様子がうかがえました。
また、色が好きなのも理屈抜きなのだそうで、「色鉛筆をただ眺めているだけでニヤニヤしてくるんです」と笑顔で語ってくれました。
人も色も理屈抜きに好きだから、イメージコンサルタントとしても、セラピストとしても集中力を発揮できるし、こだわりも存分に活かせるということなのでしょう。
「話を聞くのは得意なんですけど、自分のことを喋るのは苦手で」と言いながらも、笑顔でインタビューに答えてくれた郷司さん。
お話をしていても、こちらまで穏やかな気持ちになれるのは、イメージコンサルタントとしての実力もさることながら、やはりセラピストとして人の幸せに触れてきたからなのかもしれません。
校長からのメッセージ
今回は、イメージコンサルタントとセッションセラピストの活動を併せ持つ、郷司千容子さんにお話を伺いました。
現在、イメージコンサルティングを受けるお客様の年齢層は50〜60代で、郷司さんと同世代の方が多いとのこと。
サロンのオープン当初は、20代のお客様が多かったそうですが、郷司さんが年齢を重ねるのに合わせて、お客様も年代が上がってきたといいます。
この辺りは、服装などに関するアドバイスは自分と同性代の人からもらいたい、というお客様の心理の現れでしょうか。
ちなみに、現在提供されているメニューの例としては、こうしたものがあります。
イメージコンサルティング:カラー診断(2,3000円)、スタイル診断(12,000円)など
セッションセラピー:120分20,000円など
新規のお客様については、インターネットやSNSがきっかけとなる他、既存客からのご紹介が多く、娘さんからお母様への誕生日プレゼントとして、郷司さんのサービスをご利用いただけることもあるそうです。
また、郷司さんには、札幌プリンスホテルで8年間、ブライダルのアドバイスを勤めていた経歴があり、現在もウエディングドレスなどのトータルコーディネートもしているので、晴れの舞台に郷司さんに依頼をする方もいるということでした。
なお、イメージコンサルティングで主に行っている、カラー診断とスタイル診断は診断結果は一生変わりません。つまり繰り返しリピートするというものではありません。
もちろんコンサル後のお客様のお買い物に同行するサービスも提供しているということなので、そちらのご利用によってお客様とのご縁は繋がり続けています。
また、イメージコンサルティングをきっかけに、セッションを希望されるお客様もいるそうです。
インタビュー前は、イメージコンサルティングは一期一会になりやすいのではと想像していたのですが、お話を聞いて、お客様と繋がり続ける仕組みを構築されていることがよく分かりました。
こうした関係構築が、郷司さんが活動を長く続けられている要素の1つなのでしょう。
もう1つ、インタビュー前に私が気になっていたことがありました。
それは、郷司さんのお客様が「自分に似合う服の選び方」に時間的・金銭的なコストを支払うということです。
ジーパン1本買うのに数分しか掛けないような私にとっては、なかなか理解しがたい心理でした。
やはりそれは、郷司さんが言うように「自分に似合う物を知ることは、実は本来の自分と対面すること」という観点があると、「自己表現」とか「自分探し」という側面があることがよく理解できました。
ただし、「自己認識的に自分らしい服装」が必ずしも「客観的にその人らしい服装」ではないところに、郷司さんのようなプロの存在が必要になるということなのかもしれません。
そして、自分らしくあることで、自信が付いたり、人間関係が良くなったり、自己実現できたり、生きやすくなるのなら、なるほど、これも大切なセラピストの仕事と呼べるのだな、と改めて思いました。
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