いわゆる芸能の世界で生きる人に聞いたことがあるのですが、
「芸能の世界は椅子取りゲームだ」と。
各ジャンルにおいて必要とされるメディア枠があり、その枠を狙って必死にその椅子に座ろうとする。
まさに椅子取りゲームだと。
確かに言い得て妙だなぁと印象に残っています。
いまや芸能の世界に関わらず、セラピストの分野にそれを当てはめて考えることがあります。
いわゆる普通の椅子取りゲームと決定的に違うことがあって。
それは、いくら気合入れて座れたとしても。
その後の方が大切だということです。
なぜなら、
ものすごい“座りの悪い”椅子があるから。
でもそれは自分にとって“座りが悪い”だけで、他人からすると、ものすごく座りが良かったりする。
やはり見栄えのいい椅子なんかは、みなそこに殺到するものです。
たとえ運良くその椅子に座れても。
もし“座りが悪い”と、もう座ってること自体がフラストレーションとなる。
日々目の前に出てきた“座りたい椅子”に座ることだけを第一優先にして、
本来自分にとって座りが良いであろう椅子を見極める視点を曇らせていないだろうか?と思うわけです。
ま、セラピスト業界においてもフラストレーションに耐えられなくなった人が立つから椅子取りゲームが終わらない…とも言えますが。(文責:谷口晋一)