奈良県生駒市を中心に、自宅サロン、自宅スクール、さらには奈良県宇陀市で伝承生薬である大和当帰の栽培と精油の製造、販売をしている西田さんのセラピストライフを紹介します。
西田奈々さんは、奈良県の自宅のスペースを使って自宅サロンを経営しながら、自宅スクールの運営を週に2日ほど行っています。
スクールでは、アロマセラピーの基本を学ぶカリキュラムや、身近な人やホームケアセラピストの育成、他にも運動などについての学びを提供しています。
そもそも、なぜ自宅でスクールを始めたのか。それは、自宅サロンに来るお客様からアロマセラピーについて教えて欲しいと言われたから。
当初は自分でスクールを運営するつもりはまったくなく、別のスクールを紹介していたそうです。
しかし、他の誰かではなく「西田さんから学びたい」というリクエストが多くあり、またそのリクエストをする人の背景にはセラピーを必要とする家族や身近な人の存在がいることを知り、ホームケアセラピストの必要性を感じてスクールを始めたそうです。
生徒に身につけてほしい「自ら見分ける力」
西田さんは、スクールの生徒に「自ら見分ける力を持ってほしい」と言います。
学びを続けていく生徒さんは、学習という行為自体に没頭してしまい、当初学びたいと思った気持ちの原動力が何であったかを見失いがちになります。
だからこそ、セラピーやケアについて知識を増やすだけでなく、なぜ学ぶのか、何のために学ぶのかを折り触れ考え、目標のために他にもどんな学びが必要なのか、自分は何をすべきかということを考えて欲しいと思います。
そうしたことを自主的に考え、やがて自立していこうという姿勢が、学ぶ者には大切なことです。
西田さんが数年にわたりスクールを続けてきたところ、生徒さんの中にセラピーを仕事にしたいという人も出てきたそうです。
そうした生徒さんたちが、一人前のセラピストとして歩む上で必要なことがあれば、それにも取り組んでいきたいと西田さんは言います。
たとえば、生徒たちがセラピストとして活動できるリトリート施設のような場を生み出すことも、西田さんご自身の思いとして沸き上がってきたそうです。
生徒さんと互いに学び合える環境を
これから自宅スクールを始めたいセラピストたちにアドバイスを求めたところ、「誰かに求められているのなら、ぜひチャレンジしてもよいでは」と応えてくれました。
「教えるという事は、自ら勉強し続けるという事でもあり、教える側にとっても素晴らしい学びになります。指導する者が生徒さんに一方的に教えるというより、生徒さんと互いに学び合い、知識と経験を交換しているような感覚もあります。」(西田さん談)
教える側と教わる側のメッセージの送受信が上手くいっている状況にこそ、理想的な学びの場が生まれるのかもしれません。
校長からのメッセージ
聞くところによると、西田さんのスクールに通う生徒の9割が自宅サロンのお客様なのだそう。
ですが、西田さんご自身でスクールに誘導することはないと言います。
おそらく、自宅サロンでのトリートメントやカウンセリング、セルフケアの指導などが、すでにお客様にとってはスクールの序章のようになっていて、やがて「本格的に学びたい」という意欲につながっていくのではないでしょうか。
サロン経営とは違い、スクール運営は単価も例えば西田さんのスクールでは150,000円近くなり、運営方法も大きく異なります。
施術にかける費用と比較すれば決して安価とは言えない中でしっかりとコストをかけて学ぼうとする生徒のニーズに徹底的に答えるものとして、西田さんの今のスクールの形があるのだと思います。
西田さんはスクールをする上でのポリシーとして、「生徒の真の自立」を掲げています。
「生徒さんが選択できることを残しておく、正解を1つとしないこと」を常に意識しているそうです。
だからこそ、西田さん自身が日々セラピストとして成長し、学びを深めていかなければならない。
それが、指導者と生徒の間に起きる好循環につながっていくのでしょう。
アロマテラピーサロン&スクール Neroli(ネロリ)