自宅でのサロンワークの他に、カフェでの施術、お客さまのお宅への出張セラピー、行政からの委託事業、法人先への出張施術、企業アドバイザー、製品開発など様々な分野で活動している中川めぐみさんを紹介します。
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中川さんは、これまでにいくつものカフェにセラピストとして入っています。
それは、それぞれのカフェの中でスペースをもらい、カフェに来店されたお客様からの依頼に応じてセラピーを提供するというもの。
メニューは、リフレクソロジー、リンパトレーナージュ、ハンド、筋膜リリース、オラクルカードリーディングなど、全身のケアではなく、着衣のままでできることがポイントです。
わざわざセラピーを受けにカフェにくるお客様
中川さんがカフェでのセラピー活動を始めて、17年となります。
そのきっかけを聞いたところ、もともと同じリフレクソロジーを学んでいた仲間が紹介をしてくれたカフェがあり、そこからカフェ同士のご紹介で2つ、3つとつながっていったとのこと。
つまり、ご自身で営業してカフェと契約したのではなく、依頼やご紹介によってお仕事が増えていったのです。
どんなお客様が、どんなきっかけで利用するのかと言えば、やはりカフェの利用、来店されたことからとなります。
中川さんのサービスを利用する方の多くは一見さんですが、中にはわざわざセラピーを受けにカフェにやってくるお客様だったり、「カフェで過ごすこととセラピーを受けるとことの組み合わせ」を何年にもわたって1日のルーティーンにしているお客様もいるそうです。
実はカフェでセラピーを提供しているセラピストがいるのですが、その多くは飛び込み営業からではなくご縁がある中で始めるケースが圧倒的に多いのですが、普通はカフェの事業者側に「セラピーをカフェの中でする」という発想がなく、飛び込み営業で提案しても受け入れてもらいにくいからです。
とにかくセラピーの存在を知ってもらう
お客様にとっても「カフェにセラピーがある」ことは違和感があり、中川さんが始めた頃もカフェにいらっしゃったお客様は好奇の目で見るだけで、空間としても違和感があったそうです。
ですので、最初の頃はとにかくセラピーを知ってもらうということが大切で、お店側の了解を得て、机の上などにポップを置いてもらったり、カフェのスタッフ等がトリートメントを受ける姿が、カフェのお客様の目に触れるようにしたそうです。
ちなみに、カフェスタッフにトリートメントを行うことのメリットは、セラピーを周知することだけではありません。
実際、カフェのお客様が声をかけるのは、多くはセラピストではなくカフェスタッフです。お客様からセラピーについての質問が出たときに、スタッフは実際に受けた感覚なども伝えることができます。すると、カフェのお客様も「試しにやってみようか」という気持ちになることもあるそうです。
まず現場をしっかり確認して
もし、カフェでのセラピーについて依頼や相談があったときに、セラピストはまず何をすべきかを聞いたたところ、まずは現場をしっかりと確認させていただくことと答えてくれました。
ひとくちにカフェといっても、スペースや環境は店舗ごとにまったく違います。
実際に「どの場所で、どのような形でするのか、何ができるのかまたはできないのか」については、現場を見ながらオーナーや担当者と相談するのが1番だそうです。
備品等は現場に合わせていくらでも調達が可能ですし、カフェによっては様々な協力をしてくれることもあるとのこと。
提供するメニューについて聞いたところ、サロンでのメニューと同じではなく、カフェ仕様に再構築しているとのことでした。
中川さんは料金体系を15分単位で金額を設定して、何コマ使うかによってお支払いが変わる仕組みを基本の形を採用しています。なぜ15分単位かというと、「カフェの中での時間の流れとして自然な長さ」だと思ったからなのそうです。
たしかに「お連れの方が待てる時間」を想像すると、20分や30分では長すぎて、10分ではセラピーの良さを実感してもらうには短すぎる気がします。
さて、カフェスペースを借りる以上、セラピストからカフェ側に支払いが生まれてきます。
例えば、売り上げの20〜30%の支払いがあったり、その都度精算をしたりするパターンが考えられますが、最終的にはカフェ側との交渉次第といえます。
しかし、このカフェでのセラピーを続けることは、自分のサロンへの導線や、お客様のご自宅への出張セラピーへの導線にもなっています。「ポートフォリオ」スタイルだからこその、組み合わせの妙と言えそうです。
校長からのメッセージ
カフェは多くの人が出入りする場所です。だからといって、カフェに訪れる方が、すぐにセラピーのお客様になってくれるわけではありません。
しかも、カフェを訪れる人たちは、セラピーサロンを訪れる人に比べて、はるかに多様です。
バックグラウンドも様々で、女性だけでなく男性のご依頼も多く、年代も10代から80代と幅広い方々がお客様となります。
中川さんの場合、メニューや料金体系の工夫に加え、「カフェにセラピーがある」ことをカフェに訪れる人々に徐々に認知してもらうための取り組みを大切にしています。
当然、カフェ側の協力があってこそですから、しっかりと事前に取り決めをする、カフェスタッフとの友好な関係を築くなど、コミュニケーションがとても重要になります。
中川さんは、17年もの長い期間カフェの中でセラピーを提供してきました。彼女は「長く続けて来られたのは、ひとえにカフェ側との関係性に尽きる」と言います。
常に興味を持ち続けてくれて、カフェが主催するイベントなどにも参加することができたそうです。
おそらく、「同じ空間を営む仲間」としてカフェ側からも受け入れられているのでしょう。
カフェという開けた場でセラピーを提供し、多くの人に認知してもらうことが、セラピーサロンや出張セラピーの顧客開拓になる。
この中川さんのセラピストライフの歩み方を表面的に真似しても、おそらくうまくはいかないでしょう。
カフェに限らず、「場」を提供してくれる方との関係構築にこそ、このスタイルを長く続けていくための真髄があり、それ自体が財産になる。そのことを再確認できました。
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