徳島県徳島市を中心にクリスタルカラーセッションと、自然由来の石けんやハーブコスメの教室運営、イベント出店活動をしている松下美穂さんのセラピストライフをご紹介します。
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松下美穂さんは、徳島を中心に、香川、大阪、京都など様々な地域で、10年にわたってイベント出店活動をしています。
基本的には、市場のように様々なお店が並ぶマルシェ形式のイベントへの出店ですが、ワークショップも行っています。
扱うのは、ハーブやオーガニック石鹸など、自然素材にこだわった商品です。多い時には毎週のように出店していて、年間40回くらい参加していたそうです。
イベントは、個人の主催のものもあれば、一般企業主催も、行政主催の場合もあり、まれにご自身も主催側になることもあるといいます。
日常の中でハーブを楽しんでもらいたい
松下さんは、ハーバルセラピストとしての勉強をする中で、多くの人に日常の中で広くハーブを楽しんでもらいたいという思いから活動をスタートし、知り合いに声をかけられたことがきっかけで、イベントでのハーブティの委託販売をするようになったそうです。
「その頃は、何でも経験だと思って始めました」と彼女は話してくれました。
松下さんはイベントに参加しているうちに、他の出店者や主催者からアドバイスをされて、ハーブティは自作のものにしたり、ハーブソルトの販売もするようになります。
こうしたイベントで知り合う人たちとのつながりを含めて、イベントならではの魅力に気がついていったそうです。
「元はまったく興味のないお客様がブースに立ち寄ってくれて、みるみるうちに表情が変わってくる。たとえそれが小さな出来事だとしても、その人が自然由来のものを日々の生活に取り入れるきっかけになったのであれば、何より嬉しいと思います」(松下さん談)
イベントで出会った方が、松下さんが行う「クリスタルカラーセッション」や「自然素材を使ったクラフト教室」にも来てくれることがあるそうで、松下さんにとってイベントは別の仕事の入り口という側面もあるといいます。
自分自身も楽しみ、そして人とつながること
イベントに出店したいというセラピストへのアドバイスを求めたところ、大事なこととして、「やる気」「人とのつながり」について話してくれました。
松下さんいわく「イベントはやる気。それがないと続けられない」とのことで、モチベーションの維持が続けることに必要だと言います。
イベントは天候の影響を受けやすく、また宣伝の仕方によっても集客は大きく変わってきます。
ほとんどお客さんが来ないこともあるわけですから、確かにモチベーションを保つことは難しそうです。
やはり、松下さんのようにイベントに参加すること自体を楽しめることが、イベント出店に必要な心構えなのでしょう。
また、「人とのつながり」については、イベント主催者や他の出店者から誘われれば、できるだけ参加をするようにしていたそうで、続けるうちに地元企業や行政主催のイベントにも誘われるようになったといいます。
「人とのつながりがないと、呼んでもらえないし、仕事にならない。それがなければ、続けてこられなかった」(松下さん談)
現在(2021年)は、コロナ禍の中ということもあって、イベントの定期出店は難しい時期です。そんな中ではありますが、大勢の人が行き交うマルシェのようなイベントが再び盛んに行われる時が来ることを考えいつも新たなアイディアを生みだしているそうです。
校長からのメッセージ
イベント出店には数千円から数万円ともいわれる出店料がかかりますし、出店準備などを含めると必ずしも安定的な収益につながるとはいえません。
松下さんも収益的には「軽くプラスになればいいくらいで、赤字に近い感じになることもある」そうです。
しかし、セラピストがイベントなどに参加することで、自分の存在や活動を広く人に知ってもらい、そこからサロンや教室の集客につながることは少なくありません。
実際、松下さんもイベントに出店したことで、自宅での教室、カルチャー講座、セッションなどにつながっているそうです。
ただ、だからといってサロンの広告宣伝のためだけにイベントに出店するというのも少し違うように思われます。
というのも、主催者はイベント当日に力を入れて欲しいのに、出店者がイベント後のこと(サロンへの集客など)ばかりに力を入れているのでは、気持ちにズレが生じてしまうからです。
副次的にサロンへの集客につながるとしても、ちゃんとイベント当日に力を入れてくれたほうが主催者にとっては嬉しいはずですし、「仲間意識」も芽生えるでしょう。「仲間意識」があれば、また一緒にイベントをしたいと思ってくれるだろうと思います。
さて、松下さんには毎週のようにイベントに出店してきた実績がありますし、主催者や他のイベント出店者から誘ってもらえることを喜んでいました。
こうしたことからは、松下さんのお店に魅力があるだけでなく、松下さんご自身に「誘われやすい要素(主催者から言えば「誘いやすい要素」)があるのだろうと推測されます。
松下さんは自身のことを、「人から相談を受けやすい、話しを聞く立場になりやすい」と分析していました。
イベント主催者や他の出店者から次のイベントについて相談されたこともあったそうです。
また、今回インタビューをしていても、松下さんは物静かで、こちらの質問に対して頭の中で言葉を探して応じてくれました。
おそらく、そうした姿勢や雰囲気がイベント主催者や他の出店者との仲間意識を生み、さらに多くのイベントに出店してきた実績が主催者側に安心感を与えているのでしょう。
もちろん、イベントに参加すること自体に松下さんが喜びを感じていることも、主催者には伝わっていたはずです。
今は人を集めることが難しい状況ではありますが、状況が改善されれば、きっとイベントもまた増えていくでしょう。
その時までに「誘われやすい人」になっておくことは、SNSなどを使えば誰にでもできる活動ですし、今後のセラピストライフに新しい可能性をもたらしてくれるのかもしれません。