神奈川県逗子にて、自宅リトリートサロンを運営しながら、出張セラピーと、女性が健康に過ごすための情報提供をしている、ナチュラルエイジング・コーディネーターの山内さちこさんの、20年以上にわたるセラピストライフを紹介します。
【出張セラピスト】編はこちら
山内さんは、女性が健やかに生涯を過ごすための情報を発信する活動をしています。
元気な高齢者(アクティブシニア)を対象にした、アロマを用いた健康ワークショップの講師。
アパレル企業の社内報の健康コラムの執筆。小学校高学年から中学生の女の子たちに向けた、生理痛の改善アドバイスなど。
すべての年代の女性に向けて、セラピストとしての知恵を伝えています。
「体に良いこと」に対して積極的な高齢者を前にして
アクティブシニア向けの講座を始めたのは、山内さんのお客様にお年寄り向けの施設に勤めている方がいて、施設で行うイベントについて相談されたことがきっかけでした。
初めて講師をしたイベントを見た他の施設の方からも要望をもらい、今は3つの施設でイベントを行っています。
イベントの内容は、ハンドケアや、アロマを使ったエアフレッシャーなど。一方的に提供するものではなくて、一緒に楽しめる方法にしているのだそうです。
イベントの際には、「体に良いこと」に対して積極的な高齢者が多いことに、山内さんも驚いたそうです。そして、その元気さに刺激を受け、またヒントにもなったと言います。
「最初は、アロマの香りを選んで、好きな香りのエアフレッシャーを作ってもらったんですが、次々に香りを嗅ぐ積極性に驚きました。それに、作った物を自慢して回っていただけたので、参加者がどんどん増えていって、結局100人くらいになって。本当にびっくりしました。」(山内さん談)
若い世代の女性たちに、自分の体を何よりも大切にしてほしい
アパレル企業の社内報にコラムを書くようになったのも、お客様にその企業の広報の方がいたことから。
アパレル業界は一見華やかですが、立っている時間が長く、腰の痛みや足のむくみに悩む店員さんが多いのだそう。
体を壊して離職する女性が多いことを、広報の方に相談されて、セルフケアの知恵を社内報で伝えることとなったそうです。
20〜30代の女性読者に向けて、季節に応じたセルフケアや、トラブルへの対処法など、広報の方と相談しながら、年に5回、原稿を執筆しています。
直接、読者と接する機会はないそうですが、「お得意様への話題の一つにもなっている」など、広報の方を通して読者の声を聞くこともあると言います。
「誰かと比較しがちな若い世代の女性たちに、自分の体を何よりも大切にしてほしいと願って、いつも原稿を書いています」と山内さんは笑顔で話してくれました。
この年代から自分の体を大切に思う気持ちを育んでくれれば
小中学生の女の子たちへの生理痛改善アドバイスも、やはりお客様のご相談がきっかけです。
「孫が生理痛が辛くて、中学受験に集中できずに困っている」と相談されたそうです。そこで、お孫さんをサロンに連れてきてもらい、悩みを聞くことになったのだそう。
それ以来、その女の子が友人をサロンに連れてくるようになったり、他のお客様の娘さんやお孫さんも受け入れるようになりました。
初経を迎えたことで起きる身体の変化や、薬に頼らずに改善する方法など、女の子たちにアドバイスしているそうです。
「最初に相談を受けた子が今では中学生になって、塾の帰りにお友達と一緒にサロンに遊びに来てくれるんです。この年代から自分の体を大切に思う気持ちを育んでくれれば嬉しいですね」(山内さん談)
そう話す彼女の表情はまるで第2の母親のようでもあり、また普段は接することの少ない世代の女の子から話を聞けることにも「すごく勉強になる」と山内さんは目を輝かせていました。
更年期世代の女性に寄り添うことのできるセラピストを育てていく
【自宅リトリートサロンセラピスト】編にもありますが、彼女のセラピストライフの中心となっているのは女性が健康な生活、そして人生を送れるようサポートすること。
このように山内さんは自ら生きてきた中で実践し大切だと思うことを全世代にさまざまな形で丁寧に伝えています。
そして同じ想いを持つセラピストたちに惜しみなく伝え育てていくことが、全世代の女性の健やかなセラピーライフにつながっていくことになるのだと信じて。
校長からのメッセージ
ご紹介した対外活動は、謝礼程度だったり、ボランティアだったりと、収益の見込めるお仕事とは言えないかもしれません。
それでも、「どの世代であっても、自らの心と体を大切にして、豊かな人生を送ってほしい」という、彼女のナチュラルエイジング・コーディネーターとしての思いが活動の原動力になっているようです。
さらに、対外活動で出会う様々な世代の女性との交流が、山内さんの新しいエネルギーになっているようにも思えます。
さて、3つの対外活動そしてホリスティックメノポーズセラピーアドバイザーの育成も、サロンのお客様や関わってきたセラピストたちからのご相談がきっかけとなってスタートしています。
これは、「山内さんなら力になってくれるはず、知恵を出してくれるはず」という彼らの期待感があってこそでしょう。
そして、ご自身にできることを見出し、労を惜しまずに応えようとする山内さんの姿勢が、より深い信頼感へと結びついていきます。
山内さんは「自分で積極的に掘り下げたニーズではないのですけど」と言いますが、応える力のある人の元には、むしろニーズの方から近寄ってくることもあるのかもしれません。
そういった意味でも彼女のケースは、自然に活動の幅が広がっていった好例だと言えます。
サロンワーク、出張セラピー、対外活動と活動の幅が広がっていった結果、少女期から最晩年までの、全世代の女性を対象にしたパーソナルセラピストの姿となってきたのではないでしょうか。
「女性の一生がなるべく心地よいものになるように。これからも長い目で見て、大切なことを伝えていくことをライフワークとしていきたいな」(山内さん談)
そう笑顔で語る山内さんの声からは、どこか将来へのワクワク感も含まれているように、私には聞こえました。
ホリステック メノポーズラボ