神奈川県逗子にて、自宅リトリートサロンを運営しながら、出張セラピーと、女性が健康に過ごすための情報提供をしている、ナチュラルエイジング・コーディネーターの山内さちこさんの、20年以上にわたるセラピストライフを紹介します。
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お客様1人ひとりのためのパーソナルメニューを提供していくなかで
山内さんは、逗子マリーナを一望できるシーサイドエリアにて、自宅サロン「シーサイド・リトリート」を運営しています。
このサロンでメインに行われるのは、定期的な体のケア。
アロマオイルトリートメント、リフレクソロジー、ボディケア、よもぎ蒸しなどを組み合わせて、お客様1人ひとりのためのパーソナルメニューを提供しています。
また、日々のセルフケアの情報を伝えるために、「二十四節季アロマ養生塾」という講習会の開催や、オンライン・カウンセリングも行っています。
なお、彼女のお客様は、更年期の方や働き盛りの女性がほとんどなのだそう。お客様は全員が会員であり、これまで22年間のセラピストライフで約500名もの会員とつながっています。
山内さんがセラピストとしての歩みを始めたのが、1998年頃のこと。最初は、元町中華街でリフレクソロジーサロンを運営していました。その店舗では、多い時で16名ほどのスタッフとともにサロンオーナーとして活動していたとのこと。
その後、2001年に山手の一軒家でサロンを開き、そして2011年に七里ヶ浜に移転。さらに、2015年に逗子に移住し、自宅でもあるリトリートサロンをオープンします。
山内さんは、ご自身の人生に訪れたステージの変化に伴ってサロンを移転してきており、現在の逗子は「終の住処」として選んだ場所なのだそう。
季節を先取りして対策を行う「攻めの養生」
現在、山内さんがセラピストライフの中心に置いているのが、女性の健全な生活のサポートです。
そのため、サロンに滞在する時間だけが、彼女のセラピーではありません。
多くのお客様は1ヶ月に1回、定期的な体のケアのためにサロンに訪れます。すると、次のケアまでに間が空きます。
その間を埋めるための工夫の1つが、「二十四節季アロマ養生塾」で、季節の移ろいが女性の体に与える影響や、現れやすい不調への対処法をお伝えしています。
さらに、定期ケアの前日に、ご予約の確認がてら、メールでお客様の近況や体調の変化をうかがい、その情報を元に施術日に提供するパーソナルメニューを組み立てているのです。
サロンに来たお客様は、長い方で3、4時間滞在し、施術とともに自然な会話の中で、その方がセラピーライフを歩むための必要な知恵を伝えていきます。こうしたスタイルであるため、サロンにお迎えするお客様は1日2人までとなっています。
このような、季節を先取りして対策を行うスタイルを、山内さんは「攻めの養生」と表現してくれました。
「次の季節に現れやすい症状を事前に知っておくと、いざ不調が出たときに、慌てて病院に行かなくても済むでしょう? 定期的にサロンで体を整えておいて、次の季節に起きやすいことについて予測できる知恵を持っていただく。そうやって、ご自分の体との付き合い方がわかるだけでも、不調は軽くなるものです」(山内さん談)
生涯現役であるために1つひとつ選択してきたこと
山内さんに、自宅サロンの運営において大切なことを聞くと、「家族の協力がないとダメですね」ときっぱりと答えてくれました。
家族を大事にした上で、ベストを尽くすことが大切であり、家族に無理や我慢をさせていることは、お客様にも伝わってしまうものだと、彼女は言います。
彼女がサロンの場所を度々、移転してきたのは、自分と家族のライフスタイルの変化に合わせてきたからなのでしょう。
つまり、ご自身を含めた家族のライフスタイルの中で、セラピストとしての自分があるということ。サロンの移転は、彼女が生涯現役であるために1つひとつ選択してきた軌跡と言えます。
一般的にセラピストとして1つのスタイルを確立しますと、その形に執着してしまいがちです。
しかし、年月が経てば、自分も、家族も、もちろんお客様も年齢を重ねていきます。季節も、時代も移りゆく中で、自分だけが同じスタイルを続けようとするのは、むしろ不自然なことなのかもしれません。
とは言え多くのセラピストは、サロンの移転によってお客様との関係が切れてしまうことを不安に思うものです。
その事について山内さんに聞くと、
「人はそれぞれのご都合があるから、お客様への執着はダメですよね。選ぶのはお客様で、私が勝手をするんだから。移転した先で、もういちど新しく始めるつもりじゃないと」と、どこか達観したような笑顔で答えてくれました。
もちろん、お客様が継続を望むならば、それに応えるべく彼女は全力を尽くします。距離的に離れているお客様の生活をサポートするための方法として、オンライン・カウンセリングや出張スタイル(【出張セラピスト】編参照)も行っています。
山内さんは、自分とお客様、双方のライフスタイルを尊重しながら、折り合える方法をつねに模索してきていて、多くのお客様と長年にわたって良好な関係を続けています。
先ほどの達観したような言葉も、お客様との絆への信頼感と、自身のスタイルへの信念の強さの表れなのかもしれません。
1人ひとりのお客様が健やかに生きていくために、セラピストとして長く寄り添っていくこと。自分を求めてくれるお客様のために最善を尽くすこと。
それは、サロンがどこにあっても、どのようなスタイルでも、山内さんの中に変わりなくあり続ける芯です。
その強く、しなやかな芯を持ち続け、これからも自然体のセラピストライフは続いていくのでしょう。
校長からのメッセージ
先にも述べたように、山内さんのお客さんは基本的に会員で、サロンに訪れた際に次回の予約をするので、集客活動は特にしていないそうです。
新規のお客様は、基本的に会員のご紹介からか、ホームページの無料メール相談で定期ケアが必要な方に入会をお勧めしています。
さて、山内さんの「ナチュラルエイジング・コーディネーター」という肩書きは耳なじみのないものですが、彼女のお話を聞いていると「名は体を表す」ということわざが、とてもしっくりくるように思えました。
つまり、ご自身のセルフケア・マネージメントの成果が積み重なって、セラピストとしてのスタイルにも、同時に彼女のライフスタイルにもなっているのです。
実は、山内さんは、22年もの間、自分の都合でセラピスト活動のスケジュールに穴を開けたことがないそうなのです。
「私はアロマのプロフェッショナルというよりも、自然療法を実践して健康を維持している一人の女性だと思っています。健康でいることが私の仕事になっていって、年齢を重ねるごとに、お伝えすることにも深みがでてきたのかな」(山内さん談)
セラピストがお客様にお伝えする知恵が、机上の空論になっていたり、教科書の聞きかじりになっていないか? それは、お客様との信頼関係において、とても重要なことです。
そういう意味では、セラピストは施術者でありながら、同時にお客様にとっての「モデル」でもあるのです。
セラピスト自身がどんな健康状態にあり、どのような生き方をしているのかを、お客様から見られているのです。
山内さんが伝える知恵は、誰かの言葉の聞きかじりではなくて、ご自身が実践し、体に落とし込んできたものばかりです。そして、セルフケアの知恵を実践した結果を体現しています。
まさにナチュラルエイジング(自然に歳を重ねていく)。そんな山内さんの生き方や姿に、お客様はシンパシーや憧れを抱いているのだと思います。
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