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関口智子さんのセラピストライフ〜個人セラピスト

2021/09/17
関口智子さんのセラピストライフ〜個人セラピスト

 埼玉県さいたま市の自宅にて、サロン経営とセラピストの育成を行っている、関口智子さんのセラピストライフを紹介します

【育成セラピスト】編はこちら

 

 関口さんは、2005年から埼玉県さいたま市の自宅の一室にて「セラピスト向けサロン」を運営しています。1日1人限定で主にセラピストとして活動している人を対象に施術をしています。

 

 関口さんのオリジナルセラピーである「ジャパニーズオイルセラピーAtsu®︎」と、ホットストーンセラピーを組み合わせたオーダーメイドでセラピーを提供しているそうです。

‟感覚を探求する楽しい時間“を体験してもらいたい

 実はセラピストという生き方に出合うまで、「手に職を付けたい」という思いからデザイナーや編集業、旅行業など、いろいろと経験していたという関口さん。


 そんな彼女がセラピーに強く関心を持ったのは、一つのセラピー体験からで、それがリフレクソロジーだったそう。


 足裏への刺激だけで全身に影響が及ぶことを実感。さらに、リフレクソロジーの店舗が増え始めた時期だったこともあって、「やってみようかな」と興味が沸き、スクールに通い始めたそうです。

 

 スクールで学ぶ中で、インストラクターへの気持ちが芽生えた彼女は育成セラピストへの道に進んでいきます。(【育成セラピスト】編 参照)

 

 関口さんが自宅サロンを開業したころは、月に10人くらいのお客様をサロンにお迎えしていたそうですが、その後スクール事業の成長に伴ってサロンワークの回数は減っていったとのこと。


 現在では月に1、2人のペースでお客様はセラピストとして活動している方たちへと自然となっていったそうです。

 

 それほど頻度が少ないのであれば、サロンワークをやめてもおかしくはないように思えますし、しかも「お客様の中心がセラピスト」であることも不思議に思った私はそのようなスタイルになったことについて、率直に関口さんに聞きました。

 

 すると彼女は「スクールの生徒だけでなく、他のセラピストの方にも、‟感覚を探求する楽しい時間“を体験してもらいたい」という思いがあると語ってくれました。

 

 そして、関口さん自身が育成する立場ではなく1人のセラピストとして、「互いに感覚に集中できる、気持ちの良い時間」をお客様と共有するという、セラピーの原点を忘れず大切にしているとのこと。


 それはお客さまもまたその感覚を共にできるということでもあります。

セラピーをすること自体が禅たり得る

 彼女に、サロンワークにおいて気をつけていることを聞きました。すると、「お客様には技術、知識のご披露をしなくてもいい」と答えてくれました。

 

 つまり、サロンとは、セラピストの技術の高さや知識の豊富さを人に見せる場ではなく、サロンに来てくださったお客様のための時間と空間。

 だからこそセラピストとしてそれだけに集中すればいいということなのでしょう。

 

 さらに、お客様が感じる気持ち良さが、即ちセラピストの気持ち良さでさえすれば、本来はそれだけでサロンワークは成立するのだと思います、と話してくれました。

 

 関口さんは「ジャパニーズオイルセラピーAtsu®︎」を「受ける禅」と表現しています。


 まさにそれはセラピストにとっても施術する時間は無になれる時間であり、セラピーをすること自体が禅たり得るということなのかもしれません。

 

 彼女が目指すセラピーを実践するには、育成者という立場から離れて、1人のセラピストとしてお客様に接する。 


 そして「素敵な時間を過ごしていただくために、1人でも多くのお客様であるセラピストと共有しよう」と今こうして可能性の扉を開いておこうと思うのも自然なことなのかもしれません。


「確かに育成する場ではたくさん言葉にすることがあります。それでもここでは一人のセラピストとして、自分の感覚を大切にできる時間なのです」と話してくれました。

 

 今後の活動について聞くと、「まだまだ、やりたいことがいっぱい」と、サロン運営の方針も含めて様々な構想を聞くことが出来ました。


 インタビュー中、「私は癒やすセラピストというよりも、研究者みたいな探求する人なのかな」と関口さんはご自身のことを分析していました。

 サロンでも、スクールでも、もしかすると他のフィールドでも、きっと彼女の探求の旅はまだまだ続くのかもしれません。


校長からのメッセージ

 前述したように関口さんのサロンに来るお客様はセラピストとして活動している方が多いという事もあり、「技術を受けてみたい、おもてなしの流れを見たい、ご自身のサロンワークに活かしたい」という方が少なくないと思います。

 

 しかし、一旦セラピーを受けることによって「いろいろ知りたい」という考えを超えて心と体を委ねる時間となっているのでしょう。

 

 現在はスクールでのレッスンなどが空いた日をサロンにあてているため、お客様をお迎えするのは月に1回か2回ほどで、常に4、5ヶ月先は予約で埋まっている状態です。ちなみに平均利用単価は20,000円ほどです。


 広告は特に出しておらず、SNSやHPで告知する他は、お客様同士の紹介で知ってもらうことが主なのだそうです。

 

 さて、セラピストとなろうとする人は技術習得をまずは一生懸命に勉強します。


 実はその後、身に付けた知識にとらわれて、考え方が固定化されてしまったり、実際のサロンワークでもカウンセリングが形式化してしまったり、施術もルーティン化されてしまったり。

 

 このようにセラピスト本人が気づかないうちに‟目の前のお客様を見れなくなっている“ということが現実的にはあります。

 

 もちろん、セラピストとして独り立ちするためには、一生懸命に勉強する必要があることには変わりがありません。


 ただし蓄えた知識(先入観)をいったん脇に置いておいて、サロンでは純粋に目の前のお客様に向かうことができているかどうかなのだろうと思います。

 ただ、こうした感覚は、お客様のための膨大な知識と経験を蓄えた後に訪れる「達観」とも言え、とても伝わりづらいものかもしれません。

 

 今回の関口さんのインタビューを通して育成セラピストとしての道を歩みつつ、一人のセラピストとしてのスタンスを保ち続けているその姿はそれらを考えさせられる機会にもなりました。

 

 自分が探求を続けたことで見ることのできた景色を、生徒を含めて後進のセラピストたちにも見せたいと願い、柔らかい笑顔で忍耐強く、ときには厳しい顔で、後進のセラピストを先へと導こうとするセラピストとしての姿を、インタビューのなかで垣間見ることができました。

 

アツストゥーディオジャパン