山口県宇部市にて8年にわたって、オリジナルの占い「五気調整術」を用いたセラピーを提供する一方で、セラピストの育成をしている、水木杏香さんのセラピストライフを紹介します。
【個人セラピスト編】はこちら
水木さんは、五気調整術協会の代表として、彼女のオリジナルメソッドである「五気調整術」(詳細は【個人セラピスト編】をご参照ください)の他、四柱推命、手相やタロットなどを教えています。
生徒さんにはセラピストや占い師もいますが、それ以外にも趣味や教養、コミュニケーションツールの1つとして受講する人もいるそうです。
講座は基本的にマンツーマンで、対面のこともあれば、オンラインでも行っているとのこと。
水木さんは、もともと人と話すことが好きなタイプだったとのこと。
さらに看護師として患者に対してリハビリや食事の指導をしていた他、緊急の電話対応を経験したことで、相手の言葉を聞く力と、言葉を伝える力に磨きを掛けてきました。
そんな水木さんですから、自分が好きな占いの世界を人に伝える活動も、ごく自然なことだったのでしょう。
「私が伝えたことで、分かった、楽しいって生徒さんが言ってくれるのは嬉しいですね。占いの勉強は一生の趣味みたいなもので、そういうものと出合うきっかけを作れるということは、素敵なことだと思います。私も占いの本を読んだりするのが楽しいですし、一日中、占いのことを考えたり、占いについてブログも書くこともまったく苦ではないですから」(水木さん談)
育つのは自分
水木さんの話を聞いていて興味深かったのは、
「手順を覚えることだけが占いの勉強ではない」と語ってくれたこと。
占いの根底にある考え方を知り、普段とは違う物の見方を身に付けること、そのことも占いを学ぶ意義です、と話してくれました。
そしてその場合、人から指摘されるよりも、生徒自らが気づくことのほうが重要なのだそうです。
そのためのワークの1つとして、五行の基本を知った上で「自分の年表」を作ることを生徒さんに勧めているそうです。
「自分が生まれた年から今までの年表」は、作るのに何日もかかるそうですが、自分が生きてきた過程に五行の気で何が多くて、何が少ないのかを客観的に知るために役立つと言います。
すると不思議なことに、五行の気の流れや偏りが、その頃の感覚がリンクするのだそうです。
ある生徒さん。過去にものすごく強い閉塞感を感じていた時期があり、その記憶がずっと尾を引いていたそうです。
「自分の年表」を書いてみると、その苦しい時期には五行の内「土」の要素が集中していたことに気づき、「私、土の中に生き埋めにされていたんですね」と笑ったそうです。
その気づき以降は、「土」の要素に気をつけて生活をすることで、気持ちを楽に過ごせるようになったというのです。
「これをいうと元も子もないんですけど、“育つのは自分でしょう?”っていうのが私のスタンスです。私が“これ覚えてね”って言っても、覚えるかどうかはその人次第なので。ただ、私は生徒が覚えたくなるように表現したいと常に考えていますけどね。それでも、生徒さんに育つ気がなかったら育たないし、その時期ではないのだろうと思うようにしています」(水木さん談)
今後は、LINEやYouTubeなどネットツールを活用して、生徒さんたち同士をつなぐコミュニティを作っていきたいと、笑顔で構想を話してくれました。
また、占星術なども学んで、「五気調整術」と融合させる方法を模索していくとのこと。
占いは人生に寄り添うものであり、人生を豊かにさせるものである。
そのことを、自分の体験を通して理解し、自ら実践してきた水木さんこそが、生徒さんにとって学べることが最も多い教材なのかもしれない。
水木さんの優しい微笑みを見ながら、そんな事を感じたインタビューでした。
校長からのメッセージ
基礎から実践までの段階なカリキュラム(各段階はそれぞれ6時間52,800円〜)を水木さんは用意していて、テキストも何度も改善を重ねた“作品”とのこと。
生徒さんは、占いのお客様が半数。もう半数は日々発信しているSNS(ブログ)を読んで問い合わせてきた方だそうです。
【個人セラピスト編】と同様に。講座の生徒募集にもブログを発信し続けることは有効で、記事を隅々まで読み込んだ方が、数年越しに学びに来るといったこともあるそうです。
ブログに「自分が大事にしていることを紹介したい」という気持ちが伝わる内容を書き続けることはすなわち、生徒さんからの信頼につながるのでしょう。
また、ブログの内容に共感できる人が生徒になるので、逆に言うと方向性のまったく違う人が受講することをあらかじめセーブするためにも機能しているのだろうと思います。
さて、今回のインタビューのなかで考えさせられたのは、占いとは「○月○日にこうなる」と知るだけのものではない、ということでした。
天気予報的に占いをとらえるならば、雨予報なら傘を用意するなど、事前に災難に遭わないようにするのが一般的な考え方です。
しかし、「雨が降ることは自分ではどうしようもないのだから」と自分に出来ることを考えたり、雨が降ることをプラスに考えることも、占いのとらえ方の1つなのではないかと思うのです。
さらに言えば、失敗や辛い経験を、自分ではコントロールし得ない運気や流れのせいにして、「いつか必ず運気の良いときが来るのだから、今はがんばろう」と前向きに捉え直すことも、きっと占いの考え方の範疇に入るのではないか、とも個人的に思えたのです。
こうしたとらえ直しのことを、水木さんは「ポジティブな言い訳」と表現していました。
確かに、自分ではどうにもできない事象について、いつまでも思い悩むのは精神衛生上よくありません。
ならば、いったんそれを“運”のせいにしておいて、意識を自分の次のアクションに集中させた方がずっと良い結果を生むはずです。
この考え方は、アスリートが行うメンタルトレーニングに通じるようにも思えます。
つまり、占いとは、水木さんが学んだ心理学をも内包するテーマと言えるのかもしれない。
占いが持つセラピー的な要素について、改めて考えさせられたインタビューでした。
五気調整術