育成セラピストの方々とお話をしていますと。
今、日本のセラピストスクールは少人数レッスン、マンツーマンレッスンが少なくないそうです。
それゆえに。自ずと生徒さんお一人おひとり、正面に向き合って関係性を構築されています。
一方、そこでは多数を前にして技能や知識を提供するのとはやはり違いますから、育成セラピストのスタンスがそのまま現れます。
決められたカリキュラムを時間内に伝えるということを超えてでも生徒さんに携わっていくこともあれば、
あなたはどうしたいの?と一人ひとり可能性を見出しながらの時もある。
時には、生き方や価値観にも関わる領域まで寄り添っていく時もあるそうです。
それらは他のジャンルの育成現場や海外では想像がつかないかもしれません。
ですが事実。そうやって日本のセラピストたちが今、輩出されています。
彼らの元から巣立っていったセラピストたちは、技能や知識を超えたところもまた育成セラピストたちから学びとっていると思うのです。
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『技術を伝えるためにマンツーマン形式をとっているのは、人の体を触る技術だからこそ、手の感覚を覚えてもらいたいからです。お客様には1人として同じ方はいないので、それは大切なことだと考えています。それに、私も生徒さんのことをよく知りたいんですよね。生徒さんごとに目指す未来像は違うので、それによって伝えたいこともちょっとずつ違ってくるんです』
北海道札幌にて、ドライヘッドマッサージサロン「ラヴァーズ」を経営し、「日本パーフェクトヘッドケア協会代表」として後進のセラピストを育成している、鈴木敬子さんのセラピストライフを紹介しています。
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『人を育てる。結局、取り組むべきところは、その心の部分なんじゃないかと思います。技術があっても、知識があっても、いろんなことで足踏みしてしまって、一歩踏み出せない人はいるんです。その場合、本当にしたいことが何なのかまで掘り下げないと動けないんですね。つまり、生き方や価値観にも関わる領域にまで、寄り添って一緒に掘り下げていくような姿勢が、人を育成する側に求められるんじゃないかと。ここ数年でそれが明確に意識できるようになって、すごく難しいところに足を踏み入れてしまったな、と感じています』
静岡県富士宮市にて、16年にわたってセラピストの育成を行っている「Aroma flow」の佐々木直子さんのセラピストライフを紹介しています。