月に一度、同年代マスターがいる美容院でのカット。
違う業界でも長く続けてきたからこそ、そのやりとりはとても面白いです。
彼曰く、美容院の世界でそのピークは30代前半。
30代後半から徐々に衰えを自覚し始め、40代で新たなステージを見つけていかないといけない。
カッティングの技術は一つの正解というものがなく、一人ひとりが築き上げてきた技術は比較したりすればぶつかり合う。
でも40代になると、講習などに参加しても若手の技術など素直に受け止める事ができるようになり、バージョンアップにつながる。
などなど。
このように、美容師の世界では30代前半。
プロスポーツの世界、例えばサッカーなどであればピークはもっと早いでしょう。
作品を残すなどクリエイターの世界であればぐっと世代は後ろの方になるかもしれません。
つまり携わる分野においてパフォーマンスを発揮するための技術、体力、知力、経験、などといった職能は習得から発揮に至るまで波がある。
各分野におけるピークがあるように、おそらく個々人の中にもピークはあるのでしょう。
しかし彼とのやりとりで大切だなと思ったのは、波の中過ぎ去ったピークを自覚しながら新たなステージを見据えた時の対応。
それはまったく新たな…ではなく、ピーク時に足元にあって気づかなかった事を紡ぐ努力をしているということでした。
ピーク時はどうしたって目線が正面からちょっと上向き。
足元にある諸々はその時気づかない。
それを見つけられるかどうかは、ピークが過ぎ去ったと自覚した瞬間だけ。
大切にしたい、足元への目線というチャンス。(文責:谷口晋一)