奈良県生駒市を中心に、自宅サロン、自宅スクール、さらには奈良県宇陀市で伝承生薬である大和当帰の栽培と精油の製造、販売をしている西田さんのセラピストライフを紹介します。
西田奈々さんは、奈良県のご自宅の1室を自宅サロンとして、すでに11年ほど経営しています。
メニューはアロマオイルトリートメントなどで、営業は週3日ほどに4〜5名のお客様がサロンに訪れ、そのおひとりおひとりとじっくり向き合うようなスタイルです。
始めは自身と家族のための学びだったけれども
そもそも、どうして自宅でセラピストとしての活動を始めるようになったのかを聞くと、30年近くに渡るご自身の体の不調(婦人科)や、不妊治療の経験などから、自然療法を自ら取り入れていったことがきっかけなのだそうです。
アロマテラピーなどの自然療法を学んでいた当初は、自分と家族を対象にしたホームケアセラピストのような姿をイメージしていたと言います。
しかし、学びの中で仲間と出会ったこと、自分自身が「環境や植物に救われている」という思いが強くなっていったことで、「自分と同じような人をアロマセラピーを使ってサポートしていきたい」と考えるようになり、サロンを開業することに至ります。
ただし、自分にとっての中心は家族との時間であることをしっかりと見据え、自分のペースでできることを基本スタンスにしたそうです。
これは彼女自身のポリシーでもある「遠くを見すぎず、身近な存在に目を向け、足元から豊かさを広げていくセラピー」の原点にもなっています。
周囲の求めや願いに耳を傾けていれば
自宅サロンを10年以上も経営できているポイントについて聞きました。
すると、何か特別な計画や準備をしたわけではなく、周囲の求めや願いに耳を傾け、忠実に自分のできるセラピーを提供し続けてきたことだと言います。
つぎに、自宅サロンを経営したいと考えているセラピストへのアドバイスを求めると、「家族(同居している)などの理解が大切」とはっきりと答えてくれました。
自宅サロンを始めようとするときに、資格を取った勢いや、なし崩し的に始めるのではなく、身近にいる人たちの理解をしっかりと得ることが何よりも大切だと感じたそうで、家族へのセラピーケアも続けています。
また、家族に応援してもらうためにルール作りをすることも重要で、西田さんは子供が小さい頃は平日は夕方4時まで土日は休みというサロンワークスケジュールを立てていました。
そこから、10年という長期間の中で、同居する家族も成長し、状況も変化していき、それとともにサロンの形も柔軟に変化させていくことの必要性も教えてくれました。
お客様との関係も、そういったスタイルの中で出来上がっていくようです。
今後、ご自分の自宅サロンをどのようにしていきたいかを聞くと、
「肌と肌が触れる」幸せな感覚に意識を向けるセラピーを提供し、更にはお客さまからその方の身近な人々へも、その感覚を波及していけるような流れを作りたいと語ってくれました。
校長からのメッセージ
西田さんは「しっかりとした計画を立てていなかった」と言っていましたが、サロン開業当初のお客様は近所の人やママ友などからだったそうです。
開業当初から広告媒体は一切利用せず、ご紹介やホームページ、SNS等で運営が可能なのは、お客様おひとりおひとりに丁寧に向き合い続けてきたからといえます。
現在は週に3日間のサロン営業で平均単価は約12,000円、月平均20名ほどのご予約という安定した運営が可能となっています。
サロン経営というと、大きく広げることを思い浮かべがちですが、そうでなくてもいいはずです。
規模は小さくても、セラピスト自身と家族などの身近な存在が幸せと平穏を感じられる状況を作り、それを長く維持できることも、立派な経営方針です。
また、お客様の中にはセラピストには時間や費用がかかってもじっくりと向き合って欲しいと望む人は少なくありません。
そうしたニーズに応え、一人ひとりに向き合うサロンスタイルは、これから必要とされてくるはずです。
アロマテラピーサロン&スクール Neroli(ネロリ)
https://aroma-neroli.net/