福島県いわき市にて、個人サロンの運営と、宿泊施設でのセラピーの提供をしている高塚三枝子さんのセラピストライフを紹介します。
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高塚さんは、福島県いわき市で個人サロン「天空のサロン セレーノ」を運営しています。サロンではタイ古式マッサージやフェイシャルエステを提供しています。
理想とする癒しの形の実現のために
高塚さんのセラピストライフのスタートは、美容院でエステを担当したことでしたが、しだいに自分のお店を持ちたいと思ったそうです。
そこで、10年前にいわき市に場所を借りて、大手化粧品メーカーのフランチャイズでエステサロンを始めます。
「手に職を付けたいという思いもありましたし、がんばっている女性の味方でいたいという思いもありました。女性は綺麗になると、仕事もプライベートも前に進む力になると思ったんです。サロンではセラピストとしての経験を積むことができましたし自分を成長させてくれた場として今でも感謝しています。」(高塚さん談)
オーナーとしてがむしゃらにエステサロンを運営する日々。フランチャイズ経営という定められた範囲の中でサロン経営も安定していたそうです。
しかし7年近く続けていく中で、高塚さんはやがて新しい働き方についても考えるようになります。フランチャイズという定められたシステムの中でマシンとベッドの稼働率を上げたり、物販に繋げなくてはいけないという思いから、お一人おひとりに寄り添った施術に集中し、お客様へ癒しを届けたいと考えるようになっていきます。
いつまでも女性の味方でいたい
しかし、フランチャイズから独立することには大変な勇気が必要です。
高塚さんは何年も悩みながら方向性を模索していたときに、タイ古式マッサージの先生に出会い、これが転機になります。
その先生から技術を学び、さらにタイのチェンマイにも行って勉強し、資格を取得。そして、今から約3年前に個人サロンとして再スタートを切りました。
「相談に乗ってくれる人がいたし、タイ古式マッサージの魅力も後押しになりました。提供するものが間違いなければ、試行錯誤しながらでも前に進んでいける、と腹がくくれたんです」(高塚さん談)
こうして始めた個人サロンはフランチャイズ時代と同じ場所ですが、サロンの雰囲気も含め以前にはやろうとしてもできなかったことを具体化し、お一人おひとりに向き合う時間を確保するなど、高塚さんの思う「女性の癒しのためのサロン作り」をしたそうです。
「今は、自分がつくりたかった環境がつくれています。お客様のためだけど、自分にとっても“こうだったら いいな”が形になっています」と笑って話してくれました。
「女性の味方でいたい」という思いを軸に、悩みながらも少しずつ理想の働き方を実現してきた高塚さん。
これからも勉強と成長を続けて、お客様との信頼関係を築きながら、ご自身の思い描くセラピストライフを歩んでいくのでしょう。
校長からのメッセージ
いわき市にはサロンが数多くある中で、タイ古式マッサージとフェイシャルエステを揃えている女性専用サロンは多くはありません。
高塚さんのサロンでは、現在、タイ古式マッサージは60分6,600円、フェイシャルなどは5,500円で提供しています。
集客については、個人サロンのオープン当初、一度だけ広告を出したそうですが、その後はホームページやInstagram、Facebook、Googleビジネスなど、インターネットを中心として発信を積み重ねてきたそうです。
すぐには反応がなくても、「前から気になっていた」とずいぶん日にちが経ってから新規のお客様が来店することもあったといいます。
また、フランチャイズ時代のお客さんが今も通ってきているそうですので、「大手の看板」ではなくて、高塚さんご本人との信頼関係が築けているということでしょう。
カルテにも、お体のことだけでなくて、施術中の何気ない会話の内容を記録しておくなど、お客様としっかりと向き合う工夫もしているそう。
そんな彼女のサロンに来るお客様は、きっと高塚さんと過ごす時間に喜びを感じているのだろうと思います。
さて、高塚さんは、フランチャイズから独立して、自分らしいサロンをつくっています。
もちろん、フランチャイズの方が向いている人もいるでしょうから、一概にどちらが良いとは言えません。
セラピストの働き方も一様でなくても良いはずです。
今後、セラピスト業界がもっと成熟していけば、今よりも多様な働き方が生まれ、セラピストはもっと自由に、自分の力を発揮できる場所を見つけることができるようになるはずです。
セラピストとお客様が思う「こうだったら いいな」が出合った場所に、癒やしの空間が生まれるのですから。